リッチ・フランクリンの視点:「学びの機会」ONEウォリアーシリーズ

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全米で圧倒的人気を誇る総合格闘家、リッチ・フランクリン。北米の格闘技団体ミドル級元王者で元数学教師という異色の経歴を持つ彼は今、ONEの人材育成、発掘のための大会でもあるリアリティ・ショー「ONEウォリアーシリーズ(OWS)」の番組ホストを務める。今後、「リッチ・フランクリンの視点」と題し、不定期にコラムをお届けする。今回は、今年8月の「ONE:DREAMS OF GOLD」で鮮烈な勝利でデビュー戦を飾った澤田龍人らを輩出したOWSについてー。

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Join me, Rich Franklin, three-time middleweight World Champion, on a journey to experience the cultures that gave birth to martial arts and meet the rising prospects on this side of the world.(さぁみなさん、元ミドル級世界王者の私リッチ・フランクリンと共に、格闘技を生み出した文化に触れ、期待の新星を見つけに行きましょう)」

もしこのフレーズに馴染みがあるなら「ONEウォリアーシリーズ(OWS)」を見たことがある方だろう。私が目下、番組ホストとして取り組んでいるOWSは、こんなフレーズから始まる。

以前、まだ総合格闘技の現役だった頃、試合の入場の時に「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」(ガンズ・アンド・ローゼズ)や「フォー・ゾーズ・アバウト・トゥ・ロック」(ACDC)などの曲とともに紹介されていたのを思い出す。その頃から比べると、ずいぶん長い道のりを歩んできた。今振り返ってみると、OWSに関わっている自分は、まさにいるべき場所にいる、という気がする。

私は試合から学ぶことが好きで、いつもどうやったら上手くなれるかを考えてきた。高校生を相手に数学を教えていた時からずっと、誰かに教えたり、他の人の上達を手助けしたりしてきた。

この教え、そして学ぶという枠組みは、私の人生にとって大きな役割を果たしている。そして幸運なことにそのどちらも、OWSで実践できている。 ここアジアで、愛するスポーツの発展を手伝いながら。

私たちがOWSでやっていることの本質は、単に人材を探したり採用したりというだけではない。これはとても複雑な作業で、献身的で情熱的なチームがいなければなしえない。

ここにいる全員がそれぞれ、重要な役割を担っていて、チームとして常に、どうしたらよりよい成果を挙げられるかを考え続けている。全体のプロジェクトについて決める権限は私が持っているが、全員が納得できる素晴らしい成果を出せるよう、 スタッフと緊密に連携している。

ジョナサン・フォンは最高の共同ホストであり、私の右腕だ。彼がいなければ私は赤字を出していただろう。彼は財務を担当していて、常にビジネスという観点から物事を考えている。

アーマンド・ベンティガンはエグゼクティブ・プロデューサーとして、物事の道筋をつけてくれる。今ではこのプロジェクトの素晴らしいリーダーだ。チームのすべてのメンバーがお互いの考えを出し合い、そして同じ立場で仕事をしている。私たちはOWSを可能な限り、アスリートにとってだけでなくファンにとっても、より良いプラットフォームにしたいと考えている。

また、グレース・フローレスは後方支援全般を担当している。飛行機の手配から日程調整、設営と解体など、本当に何から何まで。

ここで関係者全員を取り上げることができればいいのだが、それもできないので、私がチームの一人一人にとても感謝しているということだけ伝えたい。

OWSではアジア全域を対象に、学びの旅に出かける。一度に数週間という日程の旅に、頻繁に出かける。これはただやりがいがある仕事というだけではなく、私の視野を広げることにもつながった。

これらの旅の過程でジョナサンと私は、非常に困難な状況下でも忍耐力や希望を持つことで成功を遂げた、感動的な物語をたくさん見聞きしてきた。

これは私が自分自身の生い立ちを考え直すきっかけになった。米国で生活していた私は、自分は貧困層だと思っていたからだ。例えば、5人家族が1本の歯ブラシを共有しなければならないような、本当に貧しいアスリートたちと出会い、私にとって「貧困」が持つ意味は一変した。

人生をかけて愛する何かを追い求める、若い選手たちと出会った。彼らの成功への意志は、より深いところから発していて、私と強く共鳴するものがある。

チャトリ・シットヨートン会長兼CEOは最近、闘志が何たるかについて言及したメールを送ってきた。まったく同感だった。私のキャリアにおいて闘志こそが、成功するための最も重要な要素だと思っているからだ。その他のことは二の次だ。

OWSのトライアウトやコンペティションにやって来るどの選手にも、それぞれの物語がある。彼らの周りにいると、その場の雰囲気を楽観主義が満たしているかのように感じる。彼らが家族や愛する人たちのために戦おうとする、そのひたむきな精神は、人の心を引き付けるものがある。それはOWSのチームが自分たちの仕事に対して持っているのと同じ精神であり、時々、私は自分自身のこれまでを振り返らずにはいられなくなる。

こんにちの総合格闘技は、私が現役の頃とは大きく異なる。何年も昔のあの頃、私をアリーナへ、そしてメインカードの試合へと駆り立て、そしてこのスポーツを7か国に広げようと駆り立てたものは、試合に対する純粋なスリルでだった。

それは、自分のベストの状態で、「成功する可能性がある」ではなく「成功するんだ」という信念に自分を捧げることだ。総合格闘家として成功するんだという信念だ。教室で落ち着きのなく過ごしている生徒たちに対しては、どうか彼らが私のように信念を持って夢を追ってほしいと願っている。

先日インドネシアを訪れた際、プロサッカー選手になる夢を抱いていたトレクという若い選手に出会った。インドネシアのサッカー協会はFIFAと問題を起こし、資格停止処分を受けてしまった。(注:2015年に資格停止処分、2016年に解除)

想像してみてほしい。プロになる夢を追いかけ、サッカーに人生のすべてをかけてきたのに、突然、夢を奪われてしまったトレクのことを。しかし彼は総合格闘技に出会い、自分を持ち直すことができた。

アジアは魅力的な大陸だ。それぞれの国が無数の文化と長い歴史を持っている。さまざまな人から、さまざまな興味深い生い立ちを聞くことができるだろう。そして私たちは総合格闘技を通して一つになる。私はこのスポーツが大好きで、このスポーツがこちら側の世界の人々の状況に光を当ててくれるのが大好きだ。

だが、切ない瞬間もある。

若い選手にとって、OWSとの契約を勝ち取るのはまさに人生を変える出来事だ。残念ながら、全ての選手が最後まで残れるわけではない。ある時点で、間近で成長を目にしてきた選手たち同士が対戦し合うことになる。どっちつかずのいい勝負であることが多いので、彼らの生い立ちについてつい、感情的になってしまう。

かくして、私はメンターとしての役割を感謝するようになった。

アスリートたちと練習したりセミナーを開いたりすることもある。技術的なことからキャリアや人生に関することまで、さまざまなアドバイスをする。私自身や私の成し遂げてきたことに敬意を払ってくれる選手が多いので、私が持つ知識をいかして彼らを手助けすることができることを、とても光栄に思っている。

OWSは人材を探したり採用したりする以上の進化を遂げたと、誇りをもって宣言する。私たちは草の根レベルで格闘技を作り上げ、プラットフォームに仕立て上げた。私たちはそこで、アスリートの希望や強さ、夢の物語をもって世界に勇気を与えることができる。

この過程で最も恩恵を受けているのは私たちのチームだ。チームの全員が、個人面でも仕事面においても成長を遂げた。この流れは学びの旅として続くだろう。これからどんなことを一緒に成し遂げられるか、とても楽しみにしている。

ONEウォリアーシリーズは、ONEチャンピオンシップ公式YouTubeで視聴ができます。(現在は英語版のみ)

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