総合格闘技

青木真也のONE入門:意外と長い?総合格闘技の選手寿命

2020年6月7日

僕は10歳から柔道を初めて、37歳まで27年間競技生活を送っていることになります。

総合格闘技は2003年に初試合をしていて、17年の競技生活で54戦を経験しています。自分自身としては、最近になって、総合格闘技が少しわかったような気がしています。

ただ周囲からはベテランと思われているし、海外と日本でニュアンスは違うにしても、レジェンドなどと言われてしまうのが恥ずかしくて仕方がないです。僕はまだまだ現役の選手であり、もう少し勝負論のある試合をして、遊びたいのです。

そもそもどこからがプロ選手でどこまでがアマチュアか、どこが現役引退かなどの定義も曖昧な部分がありますし、それこそ選手個々で基準があって、周囲は引退状態だと思って見ていても現役だという選手もいるだろうし、基準が曖昧であってないようなものだと思っています。

僕としては練習ができていて、向上心があるのであれば、現役選手であるし、試合をする意思があって、現役選手だと自信で言えるのであれば現役選手だと考えています。

総合格闘技は選手寿命が長い競技だと感じています。

僕の話をする前に総合格闘技の特徴からくる選手寿命の話をしていきますのでお付き合いください。

総合格闘技は技術体系の幅が広い競技です。

打撃、投げ技、極め技と大まかに分類しても幅が広く、その中でも多種多様な格闘技の要素が存在します。全てを完璧なレベルにするのは不可能だと思うし(もしかしたらそういう選手が出てくるかもしれない)、ボクシングでも、レスリングでも、柔道でも、全ての競技で世界の頂点を極められる選手は存在しません。

僕がやっていた柔道と比べて、総合格闘技は完成するまでに時間を要する競技特性があるので、平均寿命が高いのはあるかと思います。僕のやっていた柔道ではオリンピック代表候補選手であるA強化選手には30代の選手はいません。総合格闘技は若くて才能があったとしても、キャリアのある選手に経験で誤魔化されてしまう割合は他の競技よりも多いです。よって他競技よりも技術体系から競技寿命が長いと言えるのではないでしょうか。

総合格闘技はオファーがあれば永遠に選手を続けることができます。

日本国内の多くのオリンピック競技の場合は実業団のチームから契約が終われば競技生活が続いていかないし(競技寿命の長い一部の例外を除く)、サッカーや野球も球団と契約が終了すれば引退になるケースが多いのですが、格闘技の場合はリーグを変えてでも競技を続けようとすれば続けることができるのが現状だと思います。

ある程度の実績がある選手であれば、衰えを自分で許容することができれば、納得するまで選手を続けることができます。自分のパフォーマンスが頂点のときにやめるか、とことん納得するまでやるのかは個々の価値観にはなりますが、僕は後者になるのでしょう。実績のある選手は長くやるパスポートを得たようなものなのだから、納得するまで格闘技をやればいいと僕は思っています。高く掴めば掴むほど、落ちていくことを許容できれば続けることができます。

僕は長期に渡り、浮き沈みはあれど、トップ戦線で格闘技を続けることができています。それはケガがないことが大きいです。格闘技は、ケガの多いスポーツです。キャリアを重ねるとケガではなく、勤続疲労からくるケガも増えてきます。

その中で僕は手術をするようなケガは一度もしたことがないし、練習をケガで休んだ記憶もありません。格闘技選手だけではなく、僕がやっていた柔道のトップ選手と話しても驚かれます。これは何か特別なことをしているわけではなく、日々の練習をコツコツと丁寧にやっているだけです。その時々に合った練習を考えてはいますが、何か特別なことをやっているわけではありません。運がよかったのだと思うし、両親に感謝です。

37歳になって回復力の低下やパフォーマンスの低下を感じることは多々あります。

若いときのような練習をすればするだけ成長するような感覚も久しく感じていません。まだ成長できるとは気持ちでは思っていても、実際には簡単ではないでしょう。ただ格闘技をしていることが大好きだし、自分の中ではまだまだ成長できると信じています。

一番大切なのは気持ちです。

好きで楽しいと感じることができたらいつまでもできるでしょう。現役生活を続けていることは何も凄いことではなくて、ただただ自分が格闘技を好きなだけだと思っています。褒められることではないです。気持ちがあれば人は成長できるし、いくらでもやり続けることができます。好きな気持ちを大事にしてほしい。

好きなだけやればいいし、僕は好きな時に好きなようにやって、好きなようにやめるでしょう。

総合格闘技は多様で寛容な競技だから僕は好きなのだと思います。いつまでもそうあってほしい。

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