【3/23 日本大会】武尊、念願のロッタン戦に「世界で1番面白い殴り合いになる」攻略方法も明かす

3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催される「ONE 172」で“ザ・ナチュラルボーン・クラッシャー”武尊(日本)が遂にロッタン“ジ・アイアンマン”ジットムアンノン(タイ)と激突する。
日本格闘技界のビッグスターと元ONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンの待望のドリームマッチだ。
キックボクシング界のパウンド・フォー・パウンド・ストライカーの一人として長年評価され続けてきた武尊。この競技で最も愛されているアスリートの一人で、彼のファイトは常に注目度が高くビッグマッチにも慣れている。
彼がONEチャンピオンシップ史上最大のイベントの一つである今大会のメインを飾ることに興奮しているのは当然のことだ。
実際、この33歳の武尊は、さいたまスーパーアリーナでの試合経験が豊富で、そこでの試合はすべて勝利している。
「さいたまスーパーリアは格闘技の聖地と言われてる会場。僕はかなり相性が良くて今まであの会場でやった試合でも9、8割9割KOで勝ってて1回も負けてない。」
「試合決まって嬉しさとワクワクが込み上げてくる感じ。何年もロッタン選手と戦う為にやってきたし、ONEに来たのもそれが1番の理由だった。」
武尊とロッタンとの歴史的な対決、1年以上も前から準備されていた。
“ザ・ナチュラルボーン・クラッシャー”武尊は元々、2024年1月のONEデビュー戦でロッタンと対戦する予定だったが、ロッタンが負傷欠場。急遽、ONEフライ級キックボクシング現王者のスーパーレック・キアトモー9と対戦し判定で敗れたものの、その大激闘に世界中の格闘ファンが熱狂した。
武尊はスーパーレック戦での負傷から回復するのに数ヶ月を費やしたが、その間、ロッタンと必ずリング上で対峙することを諦めなかった。
「スーパーレック選手と試合をやれたことで、凄い良い経験ができた。あの試合でONEの戦い方だったり、ルールだったり、環境だったり、グローブだったり、色々なものに慣れることができた。その後に1試合をやって、今ONEのことをちゃんと理解した上でロッタン選手と戦えるのは、すごい良いタイミングで時が来たなと思っている。」
長い時間をかけてロタンのファイトスタイルを研究した武尊。ロッタンの戦い方にいくつかの穴があることを見つけたという。
“ジ・アイアンマン”の異名を持つロッタンだが、相手が強いプレッシャーをかけてきた場合、いつもはかけ続けるアクセルを緩め、ディフェンスに徹した戦いをするという。KOを狙うよりも相手を挑発することを選ぶことに気づいたという。
武尊はの自身の強いプレッシャーと超攻撃的な戦いで、ロッタンをハイペースな真っ向勝負に持ち込めると考えている。その上で、ロッタンがディフェンシブな戦い方を選んだ場合、武尊は即座にゲームプランを調整する準備ができている。
「最近ロッタン選手の試合見ても、少しディフェンシブな戦いもやっているので、そういう戦い方もしてくるのかなとは思うが、僕のアグレッシブさでロッタン選手のアグレッシブさを引き出したい。」
「ロッタンは、ハードパンチャーとの対戦はそこまでやってないと思うし、僕ほどのパンチをもらったことはないと思うので、僕のパンチもらったら倒れると思う。」
スーパーレック戦の敗北が転機となった武尊
勿論、武尊は当初の予定通りONEデビュー戦でロッタンと対戦したかっただろう。しかし武尊はスーパーレック戦での敗北から大切な教訓を学んだと語った。
“ザ・キッキング・マシーン”との敗北から立ち直った武尊。昨年9月の「ONE Friday Fights 81」でミャンマー新鋭のタン・ジンを見事なパフォーマンスでKOし、ONE2戦目にして初勝利を収めたが、勝利に対し冷静に突き進むことができたという。
「ONEで2連敗したらもう終わりだと思ってた。そういうプレッシャーもあったし、タン・ジン選手もまだ若くて絶対負けられない試合だった。昔だったら多分倒されたら、すぐに倒し返しに振り回していたけど、またそこから削る作業をして、丁寧に戦って最後倒せた。」
スーパーレックに負けたことは、悲痛であると同時に解放感でもあったと語った武尊。敗北の重みに押し潰されそうになったこともあったが、同時に肩にのしかかる重圧から解放されたような気分も味わったようだ。
格闘技界最大の舞台で行われる今年最大のキックボクシングの試合に向けて最終調整に入る今、武尊は初心に帰った心境だという。
「スーパーレック戦で脚を大怪我して、そういう恐怖心もあったが、そういう恐怖心なく戦ってた昔のファイトスタイルに、(タン・ジン戦の)ダウンで戻してもらえたと感じた。」
「ロッタン選手と僕の試合は世界で一番盛り上がる試合になると思うし、世界で1番面白い殴り合いができる試合だと思ってる。みんなが盛り上がる試合になるんじゃないかなと思う。」