【4/29 ONE SAMURAI 1】内藤大樹、無敗の勇陽と7年ぶり凱旋試合「久々にナメられた、その感情も力に変える」
4月29日(水)、東京・有明アリーナで開催される「ONE SAMURAI 1」のフライ級キックボクシングにて、ベテランの内藤大樹(Bell Wood Fight Team)が“無敗の新星”勇陽(Team Mehdi Zatout/TEAM3K)と対戦する。
昨年11月の「ONE Fight Night 37」のムエタイマッチでナクロップ・フェアテックスを1ラウンドKOで仕留めた内藤は、勢いと破壊力を携えてこの一戦に臨む。
対する勇陽はONEで5連勝中の23歳。卓越したフィニッシュ力で世界のファンを魅了してきた若手選手だが、内藤は勇陽への過剰な期待に微塵も動じていない。
勇陽が世界の舞台で一気に注目を集める様子を内藤は目にしてきたが、この空手家をフライ級で本物の脅威と見なしたことは一度もなかった。
試合まで数日に迫った今、映像研究は終えた。勇陽のパワーは認める。しかし内藤の目には、この注目の新鋭は実力よりも慎重に組み立てられた対戦相手のリストによって過大評価されているに過ぎないと映っている。
「普通にいい選手だとは思います。ただ、それなりの相手とはまだやっていないのかなと。実力は認めつつ、少し評価されすぎなんじゃないかというのが、過去の対戦相手を見た冷静な印象です。日本でチャンピオンになったかといえばそうでもないですし、評価と実際が合っていない気がします」
対戦相手との力の差だけでなく、内藤は相手のアプローチに技術的な欠陥も見出している。勇陽は相手を圧倒するために、自分の運動能力と派手で大きな技に頼りがちだ。
しかしベテランの目には、その攻撃的でパワー重視のスタイルは守備の穴にも見える。自身も伝統的な武道をベースとする内藤は、勇陽の空手的な攻撃の力学を正確に理解しており、その大振りな打撃が生む隙をどう突くかも把握している。
「パワー特化型という印象です。ディフェンスは正直あまり上手くないと思っていて、よく見ると割ともらっているんですよね。対戦相手に一発で倒せるパワーがないだけで。空手のタイミングや大技はもちろんいいものを持っていると思いますが、自分も空手出身だし、そのタイプの選手はむしろムエタイの選手より対応しやすいと感じています。RISEの原口選手のような選手と戦った時の方が嫌だったくらいで、大きな脅威とは見ていないです」
久々にナメられた
内藤の静かな自信の裏には、じわじわと燃える怒りがある。前哨戦を通じて勇陽はベテランを過去の人にしてやると公言し、日本キックボクシング界の世代交代を宣言し続けてきた。
10代でシュートボクシング日本スーパーバンタム級王座を獲得し、長年にわたって世界の舞台で血を流しながらレガシーを積み上げてきた男にとって、その言葉は黙って聞き流せるものではなかった。若者の軽口が、内藤の中に眠っていた火を呼び覚ました。
「相手の強さは認めますが、リスペクトの感じが少し好きじゃないというか。無敗だからわからなくもないんですけど、鼻が伸びている感じがして。久々にナメられたなという気持ちになれた。黙って強ければいいのにと思ってしまいますが、久々にそういう感情になれたのも力に変えてやりたいと思っています」
ゴングが鳴れば、勇陽が早いフィニッシュを狙って勢いよく突っ込んでくると内藤は読んでいる。無敗の記録は根拠のない無敵感を生むものだ。勇陽はまだスポットライトの下で完全に圧倒される経験をしていない。
内藤はその最初の猛攻を受けて立つつもりだ。鋭いカウンターとベテランの精度で勇陽の積極性を迎え撃ち、早期ストップでも3ラウンドかけた体系的な崩しでも、どちらでも構わない。決定的なメッセージを刻む。
「向こうはまだ負けを知らないのでイケイケで来ると思います。勢いに正面からぶつかってもいいと思っていますし、逆に向こうが警戒し始めたら差を感じてしまうと思うので。しっかりKOで勝ちたいです」