サイドストーリー

ミーシャ・テイト通信:新しい「ホーム」シンガポールでの新生活

2019年8月25日

ミーシャ・テイトは、ONEチャンピオンシップ副社長であり、総合格闘技で数々の世界タイトルを手にした女子格闘技界のパイオニア。これから不定期に「ミーシャ・テイト通信」と題し、コラムをお届けする。今回は、シンガポールでの新生活についてー。

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シンガポールに移住してきたのは、4月5日。それからの新生活は、楽しいだけでなく、驚くことも多い日々だった。

シンガポールで一番気に入っていることの一つは、子どもに優しく、家族を大切にするのが当たり前なところだ。子どもと一緒に楽しめる素晴らしいアクティビティーや無料のエンターテインメントの機会が豊富で、常にどこかで何かしら楽しいことが行われている。

家族を連れて移住するのは、いつだってとても大きな決断だ。引っ越し先が世界を半周したところにあれば、なおさら。でも、これまでのところ、私たち家族の新しい生活への移行はだいぶスムーズなものだった。「ライオンシティー」と呼ばれるシンガポールには様々な文化が集まっている。私はアメリカに住んでいた時から、多様な文化にふれることには慣れていた。

実際にシンガポールに引っ越す何年も前、インタビューで何度か、将来はシンガポールに住むイメージがあると話したことがある。どこかでいつも考えていたことではあったけれど、2019年にすでにそれが実現しているとは思いもしなかった。

言葉にすることで物事を現実にできるのではないかとも思う。シンガポールに住むなんて不可能だと思った時もあった。だから、今ここにこうしていられることに心からワクワクしている。

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2度目にシンガポールを訪れたのは、Evolve MMAでのセミナーのためだった。その時に、ますますこの国が好きになった。

今年2月、「ONE: CALL TO GREATNESS」で、私は初めてのONEの大会を生で観戦し、心から感銘を受けた。ホスピタリティーは一流で、フードやドリンクが席まで運ばれてくる。リングサイド席でそこまでのサービスはなかなか見られない。臨場感あふれる場の雰囲気も衝撃的で、シンガポールでの忘れられない思い出の一つとなった。

滞在中に、ONEのサポートを得て新しい家探しをした。街の中心部を巡り、いくつかの家具がついてくる物件を見つけた。それでも、シンガポールに住むのはどういう感じなのかはっきり理解はしていなかった。

数か月後、すべてが一変した。

私たち家族は荷造りをして飛行機に乗り、シンガポールに到着した。その日から、セントラルビジネス地区は私たちのホームになった。まるで現実味がなかったけれど、先に書いたように、これは私がずっと夢見ていたことだった。

私はかなり人見知りをする方でもあるので、移住した当初はあまり多くの人と口をきかない日が続いた。たとえばジムに行くと決めたら、知らない人に話しかけることもなくただまっすぐにジムに向かうのだ。自分のやることだけに集中していた。私の性質を表すなら、「フリーな状態では内向的になるタイプ」というのがぴったりかもしれない。

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同じコンドミニアムの住人と知り合うのにもだいぶ時間がかかったが、6月3日の(娘の)アマイアの1歳の誕生日に大きな変化があった。

プール脇の共用エリアには何組かの親子がいて、子どもたちの一人がアマイアの滑り台で遊んでいた。私はその子の母親とおしゃべりを始め、しばらくすると、彼女は私をこのコンドミニアムに住む母親が参加する(メッセージ交換アプリ)WhatsAppのグループチャットに招待してくれた。

今では、チャットのメンバー全員と友人になった。時々はみんなで集まって子ども同士を遊ばせたり、おもちゃを数日、交換したりもする。子どもがおもちゃに飽きるのは、あっという間だから!

それ以外では、私の日々のルーティーンは変わっていない。総合格闘技のトレーニング。仕事。有酸素運動を少々。それから、家族との時間。

(※シンガポールで初めて家族と過ごした休日の様子をインスタグラムに投稿した)

これまでのところ、一番大変だったのは、街中での移動だ。

シンガポールに来たばかりの頃、ポータブルWi-Fiを売っているセブンイレブンを見つけるのにとても苦労したことを思い出す。一人に道を聞いたらあちらに行くようにと言われ、もう一人に聞くと逆方向だと言われた。目的の店が地下にあったなんて、その時は知らなかったのだ。

車なしで暮らすのも人生で初めてだ。

16歳で免許を取得して以来、私はいつも自分の車を運転してきた。米国ではどこに行くにも車が必要なのだ。しばらくの間は車がないのが変な感じだったけれど、今では公共交通機関やGrabを使って移動するのが大好きだ。歩いて出かけることも多く、都市生活を満喫している。

シンガポールは、これまでに住んだどの場所ともまったく違っている。それが本当にワクワクするし、楽しい。

アメリカではどこへ行くにも長い距離を移動しないといけない。シンガポールは小さい国で、すべてがコンパクトに収まってとても便利だけれど、大きな都市だという感じがする。この街にはいろいろな側面があるし、建築は類を見ないほど美しい。毎日、うっとりさせられてばかりいる。

最後になったけれど、シンガポールの最も素晴らしい点のひとつについて書かないわけにはいかないだろう。食べ物だ!

シンガポールの食べ物はすごく美味しい。なかでも、私が夢中になっているのは――中毒とすらいってもいいかもしれない(笑)――ラクサだ。クリーミーなココナッツミルクベースのスープと麺、スパイスに、味覚のすべてが刺激される。

つまり、これまでのシンガポールでの新生活を一言で表すとしたら、「パーフェクト」ということだ。