サイドストーリー

ミーシャ・テイト通信:ONEでの新たな経験の数々

2019年11月11日

ミーシャ・テイトは、ONEチャンピオンシップ副社長であり、女子格闘技界のパイオニア。不定期配信コラム「ミーシャ・テイト通信」、今回はONEでの仕事を始めたことで、初めて経験した試合のコメンテーターなど、新しいキャリアへの挑戦についてー。

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今年の春にONEチャンピオンシップの副社長に就任した時、この新たな機会が私をどこに連れて行ってくれるのか、ただ心を開いて楽しみにしていた。ONEも私と新しい道程に踏み出す準備ができていた。おかげで、この旅は最初からとても楽しいものとなった。

ONEではいろいろな仕事をしてきた。生中継のコメンテーターは気に入っている仕事の一つだ。

自分がカメラに映っているわけではないので、試合を観ること、注意深く観察し、格闘技の本質を解説することに集中できる。この仕事をするのは昔からの夢だった。ONEのケージ「ザ・サークル」の中で実際に何が起こっているのかをファンたちに伝えることができるのだから。

たとえばグラップリング(組み技)が得意な選手同士が戦う時、観客は何が起きているかはっきりと理解できないことがある。私が選手がヴォンフルーチョークを狙っているのを見て大興奮していても、観客は今にもサブミッションで試合が終わるかもしれないとは気づいていなかったりするのだ。

だから、自分がコメンテーターを務める時は、一般の人が知らないかもしれない知識を伝える責任があると感じている。目の前で起きているアクションを分析し、解説するのは大好きだ。ONEの仕事の中でも最も楽しいものの一つだろう。

コメンテーターの仕事に加えて、試合終了後のインタビューも担当している。

正直なところ、自分がインタビュアーをするとは思っていなかった。以前は、やりたいと思うことすら想像できなかったのだ。けれど何度かこなすうち、だんだんとこの仕事を待ち望むようになった。勝利を手にした直後の選手たちと話をすることを今は心から楽しんでいる。目標のために一生懸命に努力を続け、夢が叶った時の気持ちは私にもよくわかるからだ。

たくさんの格闘家と話をしてきたが、心底楽しんだ試合後のインタビューをいくつか挙げるとしたら、7月、マレーシア・クアラルンプールでのミシェル・ニコリニとエブ・ティンとのインタビューだと思う。

どちらも、とてもいい話が聞けた。ティンはその夜のベストパフォーマンスとなった試合を終えたばかりだったし、ニコリニはアンジェラ・リーを相手に勝てる見込みがほとんどないと思われていた試合の後だった。

たとえ数分でも、試合に勝利した直後の瞬間を選手と分かち合えること。それは確実に私の仕事のハイライトの一つだ。

初めて生中継でカメラの前に立ったのは、今年5月の「ONE: ENTER THE DRAGON」の大会前と後の番組でだった。

正直に言おう。最初はとても緊張した。生中継だったし、ヘマをしないですむように必死で祈ったのを覚えている。

でも、割とうまくやり遂げたのだと思う。その後で、(ONE実況者の)ミッチ・チルソンとマイケル・スキャヴェロと共に生中継のコメンタリーチームに加わってほしいと言われたのだから。まったく想定外のことだった。準備もなく、まさに思い切って飛び込んでみたのだ。いちかばちかの気持ちだったが、そういう感覚は大好きだ。

つまり、私の様々な状況への適応能力をONEは認めてくれているということかもしれない。だから私をいろいろなところに放り込んで、どういう仕事をするか試してみるのを恐れないのだ。これは、私の仕事の仕方や、これまでのキャリアで慣れていることと同じだ。もう試合で戦うことはないが、まったく新しい意味での挑戦の機会であることに違いはない。私は常にスリルを味わっているのが好きなのだ。

選手の名前を間違って読んだら、とか、失言してしまったら、という心配はする。恐怖がいつも頭の中をぐるぐるしている。でも、そのたびに自分に言い聞かせる。「失敗したからって何だっていうの?学び続けて、成長し続けるなら、それは本当の意味での失敗じゃないでしょう。私は人間なのだから、間違えることだってある」

私がとても率直で自分を繕ったりしないところを、ファンは気に入ってくれていると思う。もし間違いを犯しても、そのまま進んでいくしかない。試合でパンチをミスした時と同じように。ミッチ・チルソンと一緒に仕事をするのは本当に素晴らしい体験だ。とてもエネルギッシュで気持ちのいい人だし、いつもサポートしてくれる。

上記の仕事以外では、9月にベトナム・ホーチミンで開催したONE: IMMORTAL TRIUMPHCSR(企業の社会的責任)プロジェクトにも参加した。

ホーチミンでの収録中、いろいろな年齢の子どもたちと関わる機会を得られた。その時間はかけがえのないものだった。彼らが住む地域は経済的に困窮していた。ONEの開催は、子どもたちにとっては新たな始まりの光なのだということが感じられた。

私たちONEのチームは子どもたちとゆっくり時間を過ごし、語り合った。言語の壁はあったが、表情から彼らが何を感じているか伝わってきた。

私の目標は、決して諦めないように彼らを力づけることだった。特に、私たちの出会った子どもたちは「Saigon Children」という奨学金プログラムを通して教育を受ける機会を与えられていた。

そして一番大切だったのは、自分のコミュニティーに恩返しをすることを忘れないようにと伝えることだった。自分のルーツを決して見失わないように。学んだことを伝え、周りの人たちのために役立てるように。

誰かの人生に前向きな影響を与える力は自分にはないなんて、決して思わないでほしい。私たちは誰もがインスピレーションを必要としている。尊敬できると感じられる人、もっといい自分になりたいと思わせてくれる人が必要なのだ

ホーチミンを訪れた時、私は、できる限りの支援をしたい、やれることは何でもやろうという気持ちだった。まさか役割が逆転するとは想像もしていなかった。生徒たちに会いに行った私の方が生徒になったのだ。私は本当に多くのことを学び、あんなに幼いのにすでに勝利の物語を語る彼らから多くのインスピレーションをもらった。

こういった支援活動プロジェクトはいつも、お互いに得るものが大きい。これを読んでいるあなたも、ぜひ自分のコミュニティーに貢献する方法を探してみてほしい。与えるよりも得るものの方がずっと大きいと約束する。

最後に、私たちのチームが力を注いでいるプロジェクトをもう一つ紹介しておきたい。Facebookで連載している「Who Runs The World?」というシリーズだ。

3人の女性たちと今の世界において重要な8つのテーマについておしゃべりするというシリーズだが、とても素晴らしいものになったと思う。11月5日(火)に最初のエピソードが公開されるのが待ち切れない。今までにしてきたのとはまったく違うタイプの仕事なのだから!

????‍♀ WHO RUNS THE WORLD ????‍♀ Martial arts legend Miesha Tate is set to host an all-female talkshow on hot-button topics from around the ????! Don't miss the first episode on 5 November!

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Posted by ONE Championship on Tuesday, October 29, 2019

こんなに多くのことを同時にこなせるのはどうしてかって?秘訣は、自信を持つこと、そして気楽に構えることだ。いろいろなことを気にしすぎると自分がイライラすることになるし、変化の多い状況に慣れるのは無理だと感じてしまう。

リラックスして、どんなに準備に時間を費やそうが時間が足りなかろうが、自分は完璧にはなれないということを知り、自信を持っておくこと。自分がすべきことはそれだけだと思っている。

ONEで働くことは、他にはない価値ある経験だ。社会に貢献し、格闘技の本当の素晴らしさを人々に伝える機会を得られたのだから。