【6/7 ONE Fight Night 32】連勝の挑戦者コーエン、ムエタイ女王ロドリゲスとの王座戦に「スタンプとチームの為に勝つ」

6月7日にタイ首都バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 32」のONE女子アトム級ムエタイ世界タイトルマッチで、挑戦者のシール・コーエン(イスラエル)が王者のアリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル)と対戦する。
連勝の新鋭がムエタイ界の絶対女王に挑む注目の一戦だ。コーエンは当初、今年3月の「ONE Fight Night 29」でロドリゲスに挑む予定だったが、コーエンがトレーニング中に負傷。棄権を余儀なくされた。一方のロドリゲスは、その大会で緊急参戦した英国スター選手マリー・マクマナモンに圧倒的な戦いを見せて、4R TKO勝利を収め、3度目の防衛に成功した。
「負傷以来、人生はとても複雑に絡んでしまった。この7ヶ月間、怪我に苦しみ、リハビリと戦わなければいけなかった。母国のイスラエルで家族と共に様々な困難に立ち向かった。本当に色々なことが起こり、人生で最も辛い時期の一つだったと思う。」
24歳のコーエンは、世界最大の格闘技団体ONEチャンピオンシップにに参戦して以来、驚異的な活躍を見せている。
彼女は「Road to ONE: Thailand」トーナメントで優勝し、本戦契約を獲得。その後、ONEでは3戦全勝。直近の試合で、スコットランド出身のベテラン、エイミー・ピルニーを相手にセンセーショナルな番狂わせを演じた。
「当初は、タイトル挑戦までもう数試合やると考えていた。でもタイトルマッチに向けて既に覚悟はできている。」
負傷リハビリと苦しい時期を乗り越えたコーエン。彼女は今、5年以上に渡り女子アトム級で“無双”のロドリゲスに挑む。
元々はキックボクシングベースのコーエンだが、今はタイに移住し、世界的に有名なパタヤのフェアテックス・トレーニングセンターでムエタイの技を磨いてきた。
リング上のアグレッシブな戦いぶりとは対照的に常に謙虚なコーエン。王者に対してのリスペクトは忘れない。
「ロドリゲスは非常にテクニカルで、スマートなファイター。優れたムエタイの武器も持っている。さらに経験豊富で、特にムエタイのルールでは私よりも上。本当に強い選手だ。」
親友スタンプのリベンジを決意
コーエンは元ONE3種目世界王者スタンプ・フェアテックスの同門でトレーニングパートナーだ。
スタンプは2020年にアトム級ムエタイのベルトをロドリゲスに奪われており、今回の試合でコーエンは、親友のリベンジを果たす事と所属するフェアテックスにベルトを持ち帰る使命がある。
「プレッシャーは感じていない。スタンプとチームのためにこの勝利を収めることができれば、自分自身を誇りに思える。それがモチベーションになる。」
イスラエル人史上初のONE世界王者を目指すコーエン。激闘必至の過酷な試合が予想されるが、彼女は勝つことだけに集中している。
コーエンは巧みなフットワークと卓越したボクシング技術を持ち、無尽蔵のスタミナを誇る才能豊かなオールラウンドファイター。ロドリゲスの得意とする首相撲と殺傷能力高い肘打ちにどう立ち向かうのか。
「フットワークとボクシングは私の最大の強み。それらを活かすように頑張る。勝ちたい。どんな形であれ、方法は問題ではない。」
「他のファイターと何ら変わない。特別な人間ではないが、ただ一生懸命努力し、ベストを尽くすだけ。私には大きな目標があり、それを達成しなければいけない。必ず勝ち取る。」