3競技制覇スタンプ、復帰初勝利も大苦戦「持てるすべてを出し切ったが、失望している」
6月26日、タイ・バンコクのルンピニースタジアムで「ONE Friday Fights 160」「The Inner Circle 20」のアトム級ムエタイにて、スタンプ・フェアテックス(タイ)はシンシア・フローレス(メキシコ)と3ラウンドの激闘の末にスプリット判定で制した。
負傷による長期戦線離脱から初勝利を収めたスタンプだったが、その内容は競技制覇者のスタンプが望んでいたものとは程遠かった。
試合は序盤からフローレスが強引に前に出続けパンチ勝負。スタンプは冷静なフットワークと得意のミドルキックで対応した。しかしフローレスは試合が進むにつれて勢いを増し、最終ラウンドでは地元ファンが応援するスタンプを守りに回らせた。
際どい判定はフローレスの出来に原因があったわけではない。スタンプは猛攻を生き抜いたが、本当の戦いは内側にあった。踏み込む勇気との葛藤だ。
「彼女はタフで本当に強い。でもキックも打撃もそこまで重くなかった。ただパンチはクリーンに当たれば確かに効く。実はハイキック を何度か狙ったが、その日は脚が上がらなかった。踏み込めなかった」
序盤は前に出たスタンプだが、ラウンドが進むにつれて失速し、フローレスに終盤を支配させてしまった。内容について言い訳はしない。肉体的な問題ではなく精神的な問題だったと率直に語った。ただ試合当日、想定外のアクシデントがその復活をさらに難しくした。
「1ラウンドは自分が勝ったと確信している。2ラウンドもわずかに優位だったと思う。でも3ラウンドは守りすぎて、試合を管理しようとしすぎた。復帰2戦目だからという言い訳はしない。ただ集中力を完全に失ってしまった。メインのトレーナーが体調を崩してコーナーに入れなかった。それが本当に響いた」
戦績を65勝18敗に伸ばしたが、ジャッジのスコアカードは自身の厳しい自己評価を和らげなかった。
「この試合には全く満足していない。本当に完全に失望している。誰もあの内容に満足していないし、自分もそうだ。今夜のパフォーマンスがみんなの期待に応えられなかったかもしれないが、持てるすべてを出し切ったのは確かだ」
MMAの王座奪還を目指して
この2年間でスタンプが経験してきたことは、本当に苦難の日々だった。半月板断裂、苦しいリハビリ、そしてONE女子アトム級MMA世界王座の返上。それでもムエタイ・キックボクシング・MMAで世界王座を制した唯一のアスリートとして知られる高みを取り戻すことを信じ続けた。
打撃競技での復帰戦を経た今も、最終的な目標は変わらない。MMAの王座を取り戻すことだ。ただチャンピオンシップの舞台に戻るまでにはまだ準備が必要だと認める。
「あと1試合か2試合は必要だと思う。MMAはやりたいけど、王座挑戦はもう少し先でいい。でも正直、次もムエタイでも構わない。ムエタイでもMMAでも」
昨年11月のKANA戦で復帰初戦を落とし、今回も納得できない内容だった。それでもスタンプのトレードマークである笑顔は変わらない。一歩ずつ、本来の自分を取り戻しつつある。
「体をシャープで機敏な状態に戻さないといけない。ただ今回のフローレス戦はKANA戦と比べてコンディションと呼吸は良くなっていた。KANA戦は完全にスタミナが尽きていて、あの試合は気力だけで乗り切った」