デニス・ザンボアンガ、ONE女子アトム級MMA世界王座を返上、出産を機に育業に専念
デニス・ザンボアンガのONE女子アトム級MMA世界王者としての在位に終止符が打たれた。フィリピンのスーパースターは夫のフリッツ・ビアグタンとの間に子供を授かったことを機に、ベルトを返上すると発表した。
SNSに投稿した声明で、ザンボアンガは競技から離れて母親業に専念する決断を明かした。苦労して辿り着いた世界の頂点だったが、試合ができない状態で保持し続けることへの葛藤も語った。
「神は常に私の人生に美しい計画を用意してくれています。多くの祈りと熟考の末、ONE女子アトム級世界王座を返上するという難しい決断をしました」
「簡単な選択ではありませんでしたが、今の私の人生と、夢を追い続けている同じ階級の選手たちのために、正しい選択だと信じています」
これは現役を退く話ではなく、一時的な休止だ。いつか競技に復帰するつもりだが、今は育業に専念するという。
「タイトルから離れますが、愛するスポーツから離れるわけではありません。格闘技は私を形作ってきたものであり、私の中の戦士は常に生き続けます」
「今は神が授けてくれた最大の祝福に心と集中を捧げています。ベルト以上の勝利があることをこの時期が教えてくれており、感謝してすべての瞬間を受け入れています」
フィリピン格闘技史に刻んだ足跡
2019年にONEに参戦したザンボアンガは、デビュー戦でジヒン・ラズワンを下すと、山口芽生を判定で完封し、ワシャピニャ・ガオコーから88秒の一本勝ちを収め、3連勝でアトム級の実力者としての地位を確立した。
しかし王座への道は平坦ではなかった。2021年と2022年に韓国のハム・ソヒに連敗を喫したが、ザンボアンガの心は折れなかった。打撃を磨き、グラウンドゲームを強化してより完成されたMMAファイターとして返ってきた。
その後はリン・ホーチン、ジュリー・メザバルバ、ノエル・グランジャンを連破して世界王座挑戦権を掴んだ。
当時の女王スタンプ・フェアテックスが半月板断裂からの回復中だったため、2025年1月の「ONE Fight Night 27」でウクライナのアリヨナ・ラソヒナとONE女子アトム級MMA暫定世界王座決定戦を戦い、2ラウンドでパウンドの連打によるフィニッシュ勝利を収めた。
フィリピン人女性初のMMA世界王者として歴史に名を刻み、5万ドルのパフォーマンスボーナスも獲得。4カ月後にはスタンプが王座を返上したことで正規王者となった。
そして、昨年11月の東京「ONE 173」では三浦彩佳との初防衛戦が組まれていたが、医療上の理由から出場を辞退していた。今回の王座返上で、その背景が明らかになった。
12勝2敗のプロキャリアとONEでの7勝。フィリピンのために作り上げた歴史は変わることなく残り続ける。今は王座の座を離れ、より偉大な称号、母親として新たな旅を歩み始める。その時が来れば、彼女の格闘技の栄光は再び待っている。