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【10/25大会】元不良のカデスタム、次世代育成にも注力

2019年10月24日

ゼバスティアン・カデスタムは今や母国スウェーデンで格闘技を目指す次世代の若者たちのロールモデルとなっている。意外なことに、しょっちゅう警察のお世話になっていた若い頃を思えば、カデスタムはその役割を心から楽しんでいる。

ONEウェルター級世界王者のカデスタムは、1025日(金)の「ONE:DAWN OF VALOR」でキャムラン・アバゾフを相手にタイトル防衛戦に臨む。

現在、世界王者に上り詰めた29歳のカデスタムは、謙虚で規律を備えた格闘家にしか見えない。だが、問題ばかり起こしていた10代の彼は決して誰のロールモデルにもなれなかっただろうと本人も認める。

「犯罪者への道まっしぐらで、どんどん落ちていくだけだった。何度か留置場にも入ったよ」と、カデスタムは語る。

「行きつく先は1つしかないと思っていた。自分がしていることが間違っているのはわかっていたが、他のやり方を何も知らなかったんだ」

カデスタムは正しいことをすることも正義に従って生きることもほぼ諦めていたが、格闘技にどっぷりつかり始めた時に、すべてが変わった。

子どもの頃から、少しずついろいろな格闘技を試してみたことはあった。だが、全力でトレーニングに取り組むと決めた時に得たものは、これまでにないほど大きかった。それは、彼の人生を180度変えた。

「自分自身にも友人達にも未来はないと思っていた。今振り返ってみると、その頃の自分がまったくの別人に思える」

「今、自分が毎日考えるのは、どうやって目標を達成するか、どうやって自分の可能性を最大限に実現するかということだけだ」



10代で人生がまったく変わってしまった経験は、彼の人生観も変えた。すぐに報酬が得られたわけではなかったが、ジムで懸命にトレーニングを続け上達を目指し続けるうちに、成功はついてきた。

現在、彼はジムの若手格闘家たちの模範となり、結果をすぐに求めるのではなく、献身、規律、チームワークを大切にすることで必ず報われると伝えたいと考えている。

「下の世代の選手たちは自分をお手本にしていると感じる。自分が必死でここまで上ってきたことを知っているし、今でも同じように必死でトレーニングしていることも知っている」と、カデスタムは話す。

「自分は誰よりも先にジムに来て、誰よりも後に帰る。必死で努力すれば何でも可能だということを若手に見せたいと思っている」

世界チャンピオンとして自らのあり方で若手を導くだけでなく、カデスタムは15歳以下の生徒に無料で格闘技を教えるプログラムを提供し、次世代の格闘家に知識を伝えている。楽しみ、心を満たされ、集中する体験を与えること、そして若者たちが自分と同じ過ちを犯さないようにすること、彼はそれだけで十分に報われている。

それでも、自分の犯した間違いを消し去ることは望んでいない。今の自分になるためになくてはならない経験だったからだ。

過ちがなければ、目標の実現に全力を尽くすことがどれほど人を変えるかを実感することはできなかった。今では、ストックホルムの若者たちが正しい道に進むのを助けることで犯した罪を償っている。

「子どもは未来だ。自分が格闘技から得たものは大きい。格闘技は自分に人生を取り戻させてくれた。もし子どもたちの誰かが格闘技を自分の道だと感じることがあれば、とても嬉しい」と、カデスタムは言う。

「それが自分のプランだ。恩を返すこと。格闘技についてより多くの人に知ってもらうこと。将来、生徒たちが自分と同じくらい格闘技を愛してくれたらと思う」

ジャカルタ | 10月25日 (金) | 19時(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)