松嶋こよみは飢えている―。格闘技界の頂を見つめる若武者

Koyomi Matsushima DC 2515

 横浜関内の天気は快晴。1月にしては暖かい日差しが降り注ぐなか、太陽とは無縁の地下にあるパンクラスイズム横浜には、プロ選手たちが集まり、熱いトレーニングを行なっていた。外部招集した講師が複雑な動きから繰り出される右ストレートをやってみせ、選手たちもそれに倣う。その動きは容易ではないらしく、悪戦苦闘する選手たちが多いなか、まるで講師による実演をそのままコピーしたようなパンチを繰り出す選手がいた。26歳の松嶋こよみである。

格闘一家の英才教育

Koyomi Matsushima YK4_7047.jpg

 初参戦のONEでフェザー級前王者のマラット·ガフロフに1R TKO勝利を収めた新進気鋭·松嶋こよみのルーツはどこから始まったのか。「格闘技が好きな両親の影響で、子どもの頃から試合を観続けてきました。どうしたら強くなれるのか、そればかり考えているような子どもでした」。両親の理解もあり、幼いころから様々な格闘技に触れ合うことができたという。「空手をやるなかで、相手を倒すには組み負けないことが大事だと考え、レスリングや柔道を始めました。あくまで総合格闘技で強くなるために、自分に必要なものは何かを考えた結果です」。中学生になると、部活ではレスリングを選択しつつも、地元のジムに通う日々が始まった。高校はレスリングの強豪校に進学した。

1度も勝つことができなかったライバル

Koyomi Matsushima DC 2558.jpg

 順調なキャリアを積み重ねているように見える松嶋だが、実はコンプレックスを抱えてもいた。「学生時代、全国大会などで絶対に勝てない選手がいました。都合4回ほど公式戦で戦いましたが、1度も勝てなかった」。

「普段の練習で辛い時、試合で苦しい時、常に彼のことを思い出します。ここで諦めたらまた前と同じで勝てないぞと、自分に言い聞かせています」。強さへの飽くなき欲求と、勝てなかったかつてのライバル。松嶋を突き動かす原動力はここにある。

満を持してプロの世界へ

Koyomi Matsushima DC 2621.jpg

 「高校で地元を離れてレスリングの強豪校に行ったのも、修斗からパンクラスに主戦場を変えたのも、そしてONEからのオファーを受けたのも、全ては、より強い相手がいるからです。当然、フェザー級のベルトや世界最強の選手になることは目標にしていますが、それ以前に、俺は強くなりたい。子どもの頃から一貫して変わっていないことです」。と、松嶋の眼光は鋭い。

 常に自分と向き合い、強くなることだけに全てを注いできた松嶋こよみ。彼は寄り道を一切せず、自分が狙うべき世界の頂のみを見据えている。

特集をもっと見る

WeiRui 1200X800
Nanami Ichikawa
WeiRui 1200X800
Jake Peacock posing at PK Saenchai Muaythaigym
Regian Eersel Dmitry Menshikov ONE Fight Night 11 64
Marat Grigorian Sitthichai Sitsongpeenong ONE 165 23 scaled
Francisco Lo
Izaak Michell ONE Championship
Mayssa Bastos2
Amber Kitchen Jackie Buntan ONE on Prime Video 5 1920X1280 81
Allycia Hellen Rodrigues Janet Todd ONE Fight Night 8 85
Reinier De Ridder Vitaly Bigdash ONE159 1920X1280 57