ホーチミンのムエタイシーンをけん引、No.1 Muay Club

Vietnamese Muay Thai striker Nguyen Tran Du Nhat

ニューイェン・トラン・デュイ・ニャット(ベトナム)はONEチャンピオンシップの期待の新星として登場したが、メジャー大会の舞台に登場する遥か以前から、ベトナムにおけるパイオニアとして活躍してきた。

現在31歳のデュイ・ニャットは、ベトナムのムエタイの舞台を一から作り上げてきた。国内大会を圧倒し、ホーチミン市で最初のジムの1つを創設して明日のスーパースターを育ててきたのだ。

選手、ビジネス、コーチングのキャリアの全てをこなすのは簡単ではないが、デュイ・ニャットは苦もなくやり遂げているように見える。ベトナムでスポーツを普及させたいという熱い思いを持っており、その願いに光が当たり始めたのを見てきた。

この記事では、デュイ・ニャットがムエタイジム「No.1 Muay Club」を通じて、ホーチミン市の格闘技の普及を支援してきた過程を紹介する。

初期の格闘技への情熱

格闘技は常にデュイ・ニャットの血の中を流れている。

ベトナムの格闘技「Tan Gia Quyen」を創設した格闘技の達人の子孫として、将来スーパースターとなるデュイ・ニャットが格闘スポーツに引き寄せられたことは当然のことだった。

まだ3歳のときに格闘技を始め、14歳のときにジュニアトーナメントに出場し始めた。

だが2007年、デュイ・ニャットの方向性は劇的に変化した。故郷のラムドン省を離れ、ホーチミン市での勉学を続けていたある晩、18歳の大学生だったデュイ・ニャットは映画を見て、ムエタイに出会ったのだ。

それは一目ぼれだった。

「トニー・ジャー主演の映画『マッハ!!!!!!!!』で初めてムエタイを見た」

「ムエタイは父と母がやっていた格闘技に似ていると感じて、ムエタイを学ぶことにした」

ムエタイの旅の始まり

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Shadow Muay…!

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デュイ・ニャットはすぐにホーチミン市ムエタイチームに参加し、タイでトレーニングを受け、すぐに主要なタイトルを獲得した。全国ムエタイ選手権、2009年のアジアインドア・マーシャルアーツゲームズでの銀メダル、さらに同年の東南アジア競技大会でも銀メダルを獲得した。

地元のスターになり始めていたが、その間も故郷ではムエタイの存在はそれほど大きくなかった。

「それらの勝利によって新聞に名前が載った。その頃はまだ、ムエタイのジムはまったくなかったんだ!ムエタイはまだベトナムではそれほど人気が​​なかった」

「ホーチミン市で最初のムエタイジムは2010年にオープンしたが、選ばれたアスリート数名に限定されていた。それを説明する言葉があるとすれば、『空っぽ』だったと思う」

ベトナムの都市に住む誰もが自由に利用できる本物のムエタイジムの必要性を認識して、デュイ・ニャットは自分のアカデミー、No.1 Muay Clubを設立した。

「No.1 Muay Clubをオープンして以降、ここで自分の夢を実現してきた」

「ムエタイについてもっと多くの人に知ってもらいたかった。選ばれたアスリートチームだけでなく、誰もがジムを利用できるようになってほしいと思った。熱意と情熱を共有する、自分のムエタイチームを作ることを夢見ていた。ベルトやメダルを母国に持ち帰るような、チャンピオンを育成したかったんだ」



ホーチミン市でムーブメントを

ベトナム・ホーチミンにある、ニューイェン・トラン・デュイ・ニャットのジム「No.1 Muay Club」

ジムのオーナーとヘッドコーチとして活動することは、特に全盛期に差し掛かろうというアスリートでもあるデュイ・ニャットにとって、簡単なことではなかった。

ジムをオープンする前に、やるべきことはたくさんあった。適切な場所を見つけ、ブランドを設計し、施設を作り上げ、質の高いスタッフを雇い、そして新しいジムを宣伝する必要があった。

これらはデュイ・ニャットにとっていくつもの頭痛の種をもたらした。

「自分は実際にはビジネスマンではない。むしろ自分をファイターとして期待している」

「家賃を支払うのに十分な顧客がいなかった場合はどうなるだろうか?コーチが顧客を満足させられなかった場合はどうなるだろうか?試合を控えたチームメイトを十分に見てやらなかったせいで負けたらどうだろうか?これらすべてを考える必要があったから、自分が果たすべきすべての役割について、最善を尽くした」

友人や家族、地元のメディアの助けを借りて、デュイ・ニャットはこれらのすべてのタスクを乗り越えた。

2014年9月、ホーチミン1区のHuyen Tran Cong Chua StreetにNo.1 Muay Clubを開設。ムエタイへの情熱を共有しながら、あらゆるタイプの個人に対して施設が魅力的になるようにした。

「自分たちは普通のジムではない。それは確かだ」

「No.1 Muay Clubでは、誰もがムエタイに集中している。プロのファイター、アマチュア、または単に体重を減らすためのトレーニングをしたい場合でも、チームに参加すれば、ムエタイへの情熱を見つけられる」

「さらに、コーチの品質、リーズナブルな価格、そしてチームメイトがお互いをサポートするやり方が、人々がNo.1 Muay Clubでトレーニングしている理由だ」

非常に困難な時期

ONEチャンピオンシップのニューイェン・トラン・デュイ・ニャットがベトナムの「No.1 Muay Club」でアスリートをトレーニング

No.1 Muay Clubは、ホーチミン市で設立された最初のムエタイジムの1つであり、途中で成長する痛みを経験しなければならなかった。

デュイ・ニャットは才能ある選手を育成し、チームを構築し、地域で最高のトレーナーを採用したものの、拡大中のジムが急に崩壊し始めてしまったのだ。

「多くのことを教え、面倒を見ていたファイターがたくさんチームを離れた。それに、不満を言うコーチがいて、家賃を支払うのに十分な収入がない月もあった」

だがデュイ・ニャットは、それらの困難に屈することを拒んだ。

家族や友人のサポートを得て前に進み続け、大会に出場しては、全国タイトル連覇やアジアビーチゲームズのムエタイ男子フェザー級金メダルを含め、より多くのムエタイの大会で優勝したのだった。

2016年までに、その献身的な努力は報われ始めた。デュイ・ニャットの成功により、地元コミュニティで彼自身とNo.1 Muay Clubの両方が話題になった。

「人々はムエタイについてもっと知るようになった。ニューイェン・トラン・デュイ・ニャットという名前の男がいることを知り、さらにジムに人が集まるようになった」

彼の人気が高まったおかげで、デュイ・ニャットはチームを再建し、従業員の問題に取り組み、ますます多くの顧客を呼び込むことに成功した。家賃の支払いが問題になることは2度とないだろう。

2020年以降

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Finishes No.1 Muay Club Fight Night 29/12/2019.

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その後の数年間で多くの変化が起こった。

2017年、デュイ・ニャットはホーチミン5区に2番目のNo.1 Muay Clubを開設した。クラスは毎日15時間も開催され、ジムでは隔年開催のイベント「No.1 Muay Club Fight Night」を主催している。これは地域コミュニティの他のジムのアスリートたちも参加し、上達の状況を記録する機会だ。

その間、再建されたファイトチームはムエタイの大会で毎年、地方レベルと全国レベルの両方でメダルを獲得してきた。

個人的なレベルでは、デュイ・ニャットは2019年に、正式にONEチャンピオンシップに参戦し、人気がさらに急上昇した。

デュイ・ニャットは、2019年9月にホーチミン市で開かれたONE初のベトナム大会「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」に出場し、マレーシアのアズワン・チェウィルを衝撃的なノックアウトで破った。

その後、同11月にシンガポールで開かれた「ONE:EDGE OF GREATNESS」では、ハイキックで渡辺優太をノックアウトした。

これらのパフォーマンスはどちらも、デュイ・ニャットの評価を高めることにつながり、ジムとチームに利益をもたらした。

「ONEチャンピオンシップの一員であることは素晴らしいことだ」

「他のファイターたちと戦い、彼らの技術を見る機会がある。それは自分と自分のチームに貴重な教訓をもたらしてくれる。いつかもっと多くのうちの選手がONEに加わることを願っている」

「また、そのおかげでメディアにも取り上げられるようになった。No.1 Muay Clubが世界中で名声を築くのを助けてくれたから、彼らにもたくさん感謝しなければいけない」

最近、デュイ・ニャットはスポーツとビジネスの両方のキャリアにおいて、未来に目を向けている。

ベトナムのスーパースターとして、ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノン(タイ)のベルトに挑戦したいと言う願いを明らかにしており、一方、チームの強化を続けながら、ホーチミン市のすべての地区にNo.1 Muay Clubをオープンしたいと考えている。

「より多くのジムを開くことと、より多くの若い才能を見つけることに焦点を当てている」

「大きな夢を描こう。ベトナムでムエタイを語る際に、常にNo.1 Muay Clubの名前を思い浮かべるようになってほしい。チェーンに15のジムの従え、たくさんの優秀なファイターがいるようなジムにするつもりだ。その時までに、ムエタイはベトナムで素晴らしいものになっているだろう」

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