総合格闘技

フィットネス+格闘技の先駆け、TRIBE TOKYO M.M.A

2020年6月4日

長南亮は、プロ総合格闘家として35試合、DEEPウェルター級世界王者という経歴を残して、選手生活を引退した。

その輝かしいキャリアの中で、長南はアンデウソン・シウバや桜井“マッハ”速人などの伝説的な格闘家らを相手に勝利を収め、粘り強く攻撃的なスタイルから“ピラニア”のリングネームで親しまれた。

同様に重要な功績として、43歳の長南は、世界で最も高い評価を受ける格闘技ジムの1つ「TRIBE TOKYO M.M.A」の基礎を築き上げた。

この記事では、東京・練馬区にあるTRIBE TOKYOが、国際的なヒーローたちが所属する有名ジムになるまでの物語を紹介する。

名前の由来

「TRIBE TOKYO M.M.A」に立ち寄るONEウォーリアー・シリーズCEOのリッチ・フランクリン

長南はもともと、元DEEPライトヘビー級世界王者の中西良行、DEEPウェルター級世界王者の白井祐矢、さらにPRIDEのベテラン滑川康仁とともに「チームM.A.D」と呼ばれる有名な格闘技グループの一員としてトレーニングしていた。

だが選手たちは独自の公式ジムを持っておらず、吉田道場や高坂剛の総合格闘技道場「ALLIANCE」で主に活動していた。

自身のジムを立ち上げる時が来た時、長南は「格闘族」に由来する「TRIBE TOKYO」とジムを名付けた。

長南は、ジムの系統的なアプローチと家族の価値観を反映する方法としてその名前を選んだ。そして、海外でも名前が知れ渡るように、ジムに「東京」を付け加えた。当初から世界レベルのジムを目指していたのだ。

逆境から強さを

人々の生活を改善し、世界チャンピオンを育て上げるという長南の夢は、個人的な逆境から生まれた。

長南は2005年の総合格闘技イベント「PRIDE 武士道 -其の九-」で、元五輪選手で総合格闘技の世界チャンピオンでもあるダン・ヘンダーソンと対戦。第1ラウンドでKO負けを喫するという結果に終わった。だがその試合の後、長南はつてを頼ってヘンダーソンと接触し、謙虚に頼んだ。

「一緒にトレーニングできないかと、こちらからお願いした」と長南は振り返る。「自分のトレーニングも工夫しないといけないと考えていた。だからその時、練習のために海外に行ってみようと思った。英語は何も喋れなかったし、まだ紙の辞書しかない時だった」

その紙の辞書を片手に、長南は2007年、格闘技ジム「Team Quest」でヘンダーソンとトレーニングするため、米国・カリフォルニアへと飛んだ。

施設の違いや海外でのトレーニングを初めて目の当たりにした長南は、自分で格闘技ジムを運営することを思いついた。単なる道場ではなく、格闘技とフィットネスの両方を通じて人々を刺激する場所を作りたかったのだ。

「米国で練習している時に、ジムのやり方などを自分で考えていた。こういうのは日本にはないなと思った」



思い切って一歩を

東京の地価は非常に高く、ジムの入居が可能だとしても、都心で場所を借りるのは非常に難しい上に費用も高額だ。

そのため、格闘技ジムの多くは、個人のマンションほどのスペースしかない。だがTRIBE TOKYOは規模が大きく現代的なジムだ。

「もともと柔道をやっていた友人の1人が資金を貸してくれた。練習場所がないなどで困っている選手がいるから、自分も協力したいと申し出てくれた」

「返済は終わったが、自分のお金だけでは今のような大きなジムは作れなかった。今でも器具を揃えるなど設備投資は続けている」

「(最初に出資してくれた友人は)ジムの現状を見て少しは安心してくれていると思う」

長南は建設業での経験を活かし、自ら業者を手伝ってジムを作り上げ、オープンにこぎつけた。

開業当初から絶好調

適切なタイミング、場所、ビジネスモデルにより、ジムは大都市、東京ですぐにヒットした。多くのジムが立ち上げに苦労する中、TRIBE TOKYOはオープン2か月目には100人ほどの会員を集め、同年内に約150人の会員を確保することができた。

「多くの人々が住む地域で、格闘技ジムは周りになかった。筋トレができて格闘技もできるジムというのがなかった」

「その後たくさんのジムがこのスタイルを真似たと思う。今ではたくさんのジムがオープンしているが、当時は道場みたいなところしかなく、なかなか入会しづらいものだった。その辺りについては、会員さん、お客さんと捉えて営業を8年間やってきた。人が来なくて困ったということは1度もなく、選手たちが頑張ってくれて宣伝になっている」

最近では、ONEチャンピオンシップには日本の最高クラスの総合格闘家が数多く参戦しており、TRIBE TOKYOの所属選手からは2人が、ONE公式アスリートランキングで上位につけている。女子ストロー級4位の三浦彩佳、フライ級4位の若松佑弥だ。

加えて長南は、別のジムに所属する佐藤将光(バンタム級2位)を磨き上げることにも手を貸してきた。元ONEライト級世界王者の青木真也もジムで指導やトレーニングにあたる。

より多くの世界王者を

フィリピン・マニラで開かれた「ONE:DAWN OF HEROES」で紹介を受けた日本の若松佑弥がジャンプ

TRIBE TOKYOでのプロ選手のトレーニングは、長南の長年の知見を活かした、伝統と現代的なやり方を組み合わせたもので、非常に厳しく、よく練られたセッションになっている。

国内外のスタイルを融合させた長南のジムは、世界中からトップクラスの才能を引き付け続けている。

「自分よりも上に登っていける選手を作るというのが自分の目標だった」

「設備もそうだし、プロ選手についても、他のジムの選手なども集まって良い練習ができていると思う。選手と会員さんの距離が近く、みんな仲良くやっている。会員同士でビジネスをするなど、そういう交流の場を作れているところがいいところだと自分は思っている」

今日に至るまで、栄光のTRIBE TOKYOを運営し、その国際的な成功を築き上げる過程は、長南にとっては非常に忙しい道のりだった。プロの総合格闘家として、身体的にも精神的にも限界まで追い込んできた長南は今、次世代のアスリートを育てるために自身の時間を注ぎ込んでいる。

TRIBE TOKYOの会員の管理や指導、選手のケア、運営は全て、長南が個人的に管理している。多大な努力が求められるが、メジャー大会を舞台に活躍するヒーローを育てつつ、地元のコミュニティに貢献するという役割を、長南はうれしく思っている。

「僕が格闘技があって人生が救われたと思っている。それだけ大事なものだ。みなさんが練習しに来て、少しでもそれを感じてくれたらと思う」

その姿勢こそが、TRIBE TOKYOのモットーが「笑顔でトレーニングを終える」である最大の理由だ。

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