モハメド·ビン·マムード「地元マレーシアで“伝説”を倒す」
7月12日(金)にマレーシアのクアラルンプールで開催される「ONE: MASTERS OF DESTINY」で、サイフル·メリカンと対戦するモハメド·ビン·マムード。ムエタイルール·バンタム級屈指の好カードだ。
マムードは、マレーシアのクダー生まれ。地元凱旋は、昨年12月の「ONE:DESTINY OF CHAMPIONS」以来だ。この試合でONEデビューを果たしたマムードは、ギリシャのベテラン選手であるステレゴス·ミッキオスを相手に、KO勝利を飾った。
23歳のマムードにとって、それは忘れられない瞬間になった。
「地元ファンの前での試合は格別だよ。入場から、控室に戻るまでずっと熱狂的に応援してくれる。とても幸せなんだ」
しかし、今回は少し状況が違う。
相手は同じマレーシア人。しかも、同僚で、最近は出場機会を求めて総合格闘技に転向していたサイフル·メリカンなのだ。前述の通り、今回の試合は、ムエタイルールで行なわれる。マレーシアで行なう、マレーシア人同士の試合。声援は、真っ二つに分かれるだろう。
「いつも対戦相手とは緊張感を持って闘うし、試合前もそういう雰囲気をつくっている。ただし、今回はメリカンが相手だからね。できれば、同郷の相手は避けたいのだけど、そうも言っていられない」
地元を愛する者同士の対決は、葛藤を呼ぶ。
「かなりの葛藤があるけど、それでも僕の勝利を期待してくれているファンがいると信じて、全力を尽くすのみ。やるからには、全力でやる」
同じマレーシア出身のマムードとメリカンには、共通点もある。かつて、メリカンが主催するイベントに、マムードが参戦したこともある。
「メリカンは、マレーシアでは伝説と言っていい選手。賢く、強く、無限の可能性を秘めている。そして、人格者でもある。だから、僕らは、最高の試合を観客に見せられると思うし、どちらも勝利を渇望しているよ」
お互いに地元での勝利を心から欲しているのだ。そして、マムードは、メリカンに勝利し、一気にのし上がろうとしている。
「地元の英雄を相手に言い辛い部分もあるが、KOを狙っているのは確かだ。彼にKO勝ちすれば、ONEでさらなる道が開けると信じている。クアラルンプールで勝利の雄叫びをあげるのは、僕だ」