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【10/13大会】期待の若手クォン・ウォンイル「両親に恩返しを」

2019年9月30日

1013日(日)に開催されるONE: CENTURY 世紀」の朝の部、「ONE: CENTURY PART Iのオープニングマッチでは、クォン・ウォンイル(韓国)がスノト(インドネシア)と対戦する。

クォンはONEチャンピオンシップでもっとも将来が嘱望されている若手の1人だ。のし上がってやるという固い決意を胸に、これまで格闘技に身をささげてきたことが、ようやく実を結びつつある。

とはいえ、24歳のクォンがここに至るまでには、真剣な自分探しの道程があった。良い時にも悪い時にも自分を支えてくれた両親を悲しませてしまったこともあったのだ。

韓国・大田生まれのクォンの格闘人生は、小学校のテコンドーチームで天賦の才を発揮し、早くも韓国内で有数のアスリートになった時に始まった。

しかしクォンは、中学に進学すると、あっさりテコンドーをやめてしまい、あてどない生活を過ごすようになる。模範的な生徒からはほど遠かったクォンは、エネルギーのはけ口を求めて、ケンカをすることも多かった。

決定打になったのは高校生の時のできごとだった。クォンがクラスメイトともめ事を起こした際、高校の校長が親を呼びつけ、クォンを他校に転校させることを告げたのだ。

ばつの悪いことに、クォンの両親がお叱りを受けるべく校長室に入ろうとした時、クォンと鉢合わせしてしまったのだ。

自分のせいでみっともないことになっているというのに、それでも両親は自分を守ってくれている−−クォンは自分の行為を恥じた。

「韓国の高校生はみな、クラスで遠足に行くのだが、校長先生が君の参加は許可しないと言ってきた」とクォンは振り返る。

「そうしたら父が校長先生に、お願いですから遠足には参加させてやってください、転校する前に友だちとの思い出を作らせてやってくださいと頼み込んでいた。それでも校長先生は折れなかった」



これにはクォン自身よりも両親の方がいきりたった。クォンは、校長の話を聞いた自分の母親が校長の前で泣き出したところを見たのが、人生の転機になったと語っている。

「母さんが頭を下げて泣いているのを初めて見たんだ」とクォンは言う。

「その時にこう思ったんだ。もう母さんを泣かせるようなことはしてはならないと」

その後父親はすぐに、息子をソウルの北にあるファジョンにある優秀校に転校させた。

「ファジョンまで、長い長いドライブだった。車の中で自分はいろいろ考えた」とクォンは語っている。

「自分のしたことで、両親に迷惑をかけた。だからこれからは、両親が喜ぶようなことをしよう」

父親が借りてくれたアパートで、クォンは一人暮らしをして、学校生活を全うした。

新しい学校では友だちもできた。その友だちの影響もあって、クォンの将来展望も変わってきた。人生の目標をたてて、達成に向かって努力しないといけないと励まされたのだ。

「人生が変わり始めた。大田にいた頃には、友だちとつるんでバカなことをしているだけだった。でも転校先のクラスメイトは、だれもが目標を持っていた」

「自分もそれに見習って、自分の未来を夢見るようになり、それを実現するためにがんばるようになったんだ」

クォンは総合格闘技ジムのエクストリーム·コンバット(Extreme Combat)に入会し、子供の頃以来失っていたトレーニングへの情熱を再点火させる。

トレーニングの費用捻出のために、2つのアルバイトを掛け持ちしなければならず、ジムに着いた時にはすでにヘトヘトだったことも多かったが、クォンには新しい目標があった。

「仕事を終えた後、夜の練習に参加するのは、肉体的にも精神的にもとても疲れることだった。でも自分は、成功して親に喜んでもらおうと心に決めていたんだ」とクォンは述べている。

そんな努力が実を結び、クォンは19歳の時に日本で行われた総合格闘技戦でデビューを飾る。戦績19戦のベテラン、宮川博孝と戦ったクォンは、第1ラウンド36秒で宮川をノックアウトし、格闘家としてのキャリアをスタートさせたのだった。

Kwon Won Il attacks Koyomi Matsushima

両親はクォンの活躍を誇りにしており、今でも息子に必要なことがあれば、何でもしてやっている。

「自分のエネルギーは親からもらっているよ」とクォンは語っている。

「大事な試合の前には、エネルギーを満タンにすべく、母さんがごちそうを用意してくれる。父さんは口数は少ないけれど、自分の試合は全部見てくれていて、いつも励ましてくれるんだ」

両親の応援がクォンに、ザ・サークル内で世界最高の総合格闘家と戦うための勇気をくれる。両親の応援が、のし上がっていくためのモチベーションを高めてくれる。両親の応援があるからこそ、クォンの決意はますます固いものとなっていく。

「両親には今まで世話になった。これからは恩返しをしていかないとね」

東京・両国国技館 | 10月13日 (日)  | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)

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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。

複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。