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アギラン・ターニ、ONEでの最高の瞬間5選

2020年4月9日

わずか24歳にして、アギラン・ターニ(マレーシア)は既に、ONEチャンピオンシップで大きな成功を収めている。

ターニは2015年ONEデビューを果たすと、6連勝を挙げて2年後に、ONE世界戦の挑戦権を得た。ベルト獲得はならなかったが、ターニは一貫して、試合でも人生でも、逆境から這い上がる力を見せてきた。

メジャー大会の経験全てが、ターニを総合格闘家として成長させた。今彼は、蓄積してきた知識を生かし、2020年に再びベルトに挑みたいと願っている。

この記事ではターニの、ONEでの最高の瞬間ベスト5を紹介する。

ONEからの参戦オファー

マレーシアのアマチュア総合格闘技団体「Malaysian Invasion Mixed Martial Arts(MIMMA)」のウェルター級チャンピオンになった数ヶ月後、ターニはプロ総合格闘家として達成したい目標を立てた。

そのうちいくつかは、ONE参戦のような、長期的な目標だった。

世界最大の格闘技団体ONEは、世界中の最高の才能を持った選手たちと契約することで有名だ。そのためターニは、キャリアの早い段階でONEからのオファーを受けるとは、期待していなかった。

だが2015年初め、ターニの電話が鳴り、ONEからの契約オファーを聞いてターニは驚いた。

「最初はまだ準備ができていないと思った。でもジェイソン・ロー(MIMMA創設者)から電話があり、これは大きなチャンスだと言われた。絶対やるべきだと」

「ONEに到りつくために、長い間一生懸命にやってきた人をたくさん知っていた。一方、自分はプロとしてたった1試合でオファーを受けた」

「最初はかなり怖かった。でもいつか、みんなに信じてもらえるとわかっていたから、契約を結ばせてもらった」

ターニは初戦からその言葉通りの活躍を見せた。2015年3月に開かれた「ONE:AGE OF CHAMPIONS」でのデビュー戦で、レアント・ファブリザ・レーニアと対戦し、わずか80秒でTKO勝ちを収めたのだった。

2度目の契約

2017年2月の「ONE:THRONE OF TIGERS」で、ジェフ・フアンをリアネイキッドチョークによる見事なサブミッション勝ちで下した後、ターニはONEと2度目の契約を結んだ。

最初の契約はアマチュアチャンピオンとしてだったが、今回はマレーシアの一流のウェルター級総合格闘家としての地位を確立していた。

ターニは6試合連続でフィニッシュ勝ちを収め、努力は報われた。

「これは、ONEでの最高の瞬間の1つ。ONEはそのくらいのことをしてくれた」

「良い契約だったし、自分に誇りが持てた。その2度目の契約のおかげで今の自分がある」

ターニにとってその2度目の合意は、ONEがターニを高く評価し、ターニの将来に投資したいと思っていることの象徴だった。

「提示してくれた契約を見れば、彼らが自分をレベルの低いファイターだとは見なしていないということがわかる。自分に敬意を示してくれ、そのことで自分自身のスキルにより自信を持てた」

ONEファミリーとの絆

ターニは2度目の契約を提示された時に、ONEからの敬意を感じたかもしれないが、2018年1月にフィリピン・ボラカイで初めての「ONE ELITE RETREAT(選手の慰安旅行)」への招待を受けたとき、彼はONEファミリーに深く溶け込んでいると感じた。

その旅行中、ターニにとって忘れられない、非常に感動した瞬間があった。

「この瞬間は本当に特別だった」

「チャトリ・シットヨートンONE会長兼CEOがスピーチをした後で『何か必要な時があれば自分に連絡してほしい。ここに電話番号が書いてある』と言ってくれたんだ」

「自分がとてもすごいものに所属していると感じた。この素晴らしい旅を用意してくれ、そして今では組織のトップが自分たちを認めてくれている」

それは社交辞令ではなかった。

ターニがシットヨートン会長兼CEOにメッセージを送った時、すぐに返事が来たのだ。ターニは本当に驚いた。

「すぐに返事をくれたんだ。だから素晴らしい瞬間だったと言っていいと思う」

「ほとんどのトップは自分の組織のアスリートさえも認識していない。だから自分はとても嬉しく感じた」

復帰直後の秋山成勲戦

ターニにとって、2018年は最も厳しい年だった。

クアラルンプールで2連敗を喫し、背中の手術を受け、その後何ヶ月も試合から遠ざかった。

幸いにもターニは回復し、中国・上海で開かれた「ONE:LEGENDARY QUEST」で、秋山成勲と対決する機会を得た。

このチャンスはターニの闘志に火を着け、所属する格闘技ジム「Monarchy MMA」で激しいトレーニングに取り組んだ。この試合に向けたトレーニングキャンプは厳しいものだったが、ターニのキャリアにおける転換点となった。

「秋山戦は自分にとって特別なものだった。これまでで最も長く充実したトレーニングキャンプの1つを経験したから。2018年12月の手術後の最初の試合であり、秋山のような選手に備えるための道のりは大変だった」

「まずは自分を取り戻すことだった。自分の体力を取り戻す必要があり、自分のスキルに取り組む必要があった。その後はトレーニングキャンプらしく、より詳細な動きをより速い速度で取り組んだ。厳しいトレーニングだったが、楽しむことができた」

「試合に関しては、それまでの過程がとても良かったから、かなり自信を持っていた。これまでとは違うものを感じた」

最終的にターニは、ユナニマス判定で、人生の最大の勝利を挙げたのだった。

ONE世界王者とのトレーニング

12月にダンテ・スキーロ(米国)を相手に、スリリングなスプリット判定勝ちを収めて以降は試合から遠ざかっているが、ターニは終わりなき成長を求めて前に進み続けている。

3月、ターニはクアラルンプールを離れ、米国・フロリダの格闘技ジム「Sanford MMA」を訪れた。ONEフェザー級世界王者マーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)、2階級でONE世界タイトルを持つアウンラ・ンサン(ミャンマー)、そして有名トレーナーのヘンリー・フーフトと共にトレーニングするためだ。

アウンラ・ンサンはターニの移動を手助けしただけでなく、ジムでのコツを伝授した。

「マーティン(ニューイェン)やアウンラ・ンサンらと一緒にトレーニングできたことが、最近では自分にとって最高の瞬間」

「彼らだけでなく、他の世界チャンピオンとも同じ場所にいることで、自分がさらに上達できると実感した。みんなが本当に親切で助けてくれた。アウンラはトレーニング後に毎日、宿泊先まで送ってくれた」

「それ以外にも、トップクラスのコーチ陣やヘンリー・フーフトの指導を受けたトレーニングはとても役に立った。彼は自分のために2度パッドを持ってくれたんだが、それは誰もが経験できることではないからね」

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