【10/7大会】マイキー・ムスメシ、青木真也との体格差マッチ「柔術の真髄を見せる」

10月7日（金）の 「ONE Fight Night 15: Tawanchai vs. Superbon」で、現ONEフライ級サブミッション・グラップリング王者のマイキー・ムスメシ（米国）は、ONE参戦以来の文字通り“最大の”試練に臨む。

今大会の無差別級サブミッション・グラップリングマッチで対するは、元ONEライト級MMA世界チャンピオンの青木真也。ムスメシよりも30ポンド（約13.6キログラム）重い対戦相手だ。

青木はMMA史上屈指の危険なサブミッション・アーティストとして知られ、ADCCサブミッション・ファイティング世界選手権やONEのグラップリングマッチなど、エリートレベルのグラップリングの競技経験も豊富。直近のグラップリングマッチでは、現ONEライト級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのケイド・ルオトロ（米国）に負けたものの、極めさせずに判定まで持ち込んでいる。

IBJJF黒帯世界チャンピオンに5度輝いたムスメシだが、このルオトロ戦の結果を受け、青木との対戦はそう簡単にはいかないと考えているようだ。

ムスメシはONE編集部にこう話している。

「ケイド・ルオトロは170ポンド（約77.1キログラム）の階級でチャンピオンで、青木と対戦したが極めることができなかった。自分の場合は、体重を増やしてそのチャンピオンが一本を取れなかった男と戦うことになるわけだ。シンヤはフィニッシュするのが難しい相手だから、面白い試合になると思う」

ムスメシは、新たな挑戦に怖気付くことはなく、むしろ青木との体重差がモチベーションになっているという。

ブラジリアン柔術の核心は、適切な技術と正確なポジショニングを駆使して、力の差を埋めることにある。これこそ、ムスメシが青木戦でやろうとしていることだ。

「自分ができる最も技術的な極め技を武器とし、自分より大きな男をフィニッシュするのに必要なパワーを出すため身体を最大限に使う。これは、パズルのようなものでもあり、科学的な実験のようなものでもあるんだ。自分のサブミッションのやり方はシンヤのような自分より大きな男を仕留めるのに十分だろうか？」

ムスメシは、サブミッション・グラップリングと柔術を発展させていきたいという目標を抱いている。このため、青木との対戦は、これらの競技の真髄を見せるための大きなチャンスだという。

ムスメシはこう話している。

「試合では、柔術の真髄を見てもらえると思う。それこそ、この試合を通じて自分が見せたいことだ。それも、自分より大きな相手との試合でね。自分より大きな相手を倒すこと、というのが柔術の象徴だから」

青木真也戦「極めのメカニズムが試される」

マイキー・ムスメシは、判定勝ちでは満足しない。一本勝ち以外は失敗なのだ。

ベテランの青木真也のような選手相手には、自身の得意技である“マイキー・ロック”や、定番のリアネイキッド・チョークなどを決めるのは至難の業だともわかっている。

しかしムスメシはこの数年、道着着用の柔術からノーギのサブミッション・グラップリングに転向して以来、極めのメカニズムに重点を置いたトレーニングを行ってきたという。

ムスメシはこう説明している。

「ノーギに転向して以来、一本を取るための技術的な能力を伸ばすことに懸命に取り組んできた。2021年に初めてノーギの大会に出場したから、2年くらいノーギのトレーニングをしていることになる。道着着用の柔術とは全然違うんだ。フィニッシュするためには、完璧な極めのメカニズムを身につけていないといけないから」

ムスメシのこうした懸命な努力は結実し、ONEフライ級サブミッション・グラップリング世界タイトルマッチでは、直近2戦とも一本勝ちとしている。

だが、青木は58戦のプロMMAキャリアで一度もサブミッションされたことがなく、ディフェンス技術の高さに定評がある。こうした点と体格的なアドバンテージを考慮し、ムスメシは10月7日の対戦で一本勝ちできれば、大きな名誉になると考えている。

「自分の極めのメカニズムと、それがどのくらい的確かという点が試される。技術的に的確か、ということだ。なぜなら、シンヤに対して強さのアドバンテージはないから」