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【11/8大会】スタンプ、成功の仕掛け人は70歳敏腕マネージャー

2019年11月5日

ONE世界王者3冠という偉業を目指すスタンプ・フェアテックス(タイ)が、また一歩、その目標に向け歩みを進める。

ONE女子アトム級キックボクシングとムエタイの世界王者スタンプは、11月8日(金)に開かれる「ONE:MASTERS OF FATE」で、ベトナム系アメリカ人のスター、ビー・ニューイェンと総合格闘技ルールでマッチアップする。

21歳という若さで記録的な快挙達成を見据えるスタンプは、マネージャーのフィリップ・ウォンがいなければ、ここまで来ることはできなかっただろうと思っている。

「彼が与えてくれたこの機会をとてもありがたく思っている。彼が私のキャリアをここまで引き上げてくれた」

スタンプはタイ中部ラヨーン県の果物農家で育った。幼い頃からムエタイを学び、全国を舞台に活躍。フェアテックスジムのオーナー兼マネージング・ディレクターであるウォンとの出会いが転機となり、ここ数年で一躍、タイの女性格闘家のリーダー的な存在に浮上した。

「彼は本当に、私のために将来を考えてくれている。 綿密に計算して決断を下すし、長期的に物事を考えている」

「気性が激しく、ジムでも選手たちに厳しい。怒られることもある。でも結局、彼はとても親切な人」

スタンプはこの2年半、パタヤ近くのフェアテックス・トレーニングセンターでスキルを磨いてきた。

ウォンはこの短い期間でスタンプを傑出したアスリートに、そして彼の気性と同じくらい激しいファイターに育て上げた。



スタンプは2018年7月、ONEの若手登竜門「ONEウォリアーシリーズ 2」に挑戦。わずか19秒でのヘッドキックによるノックアウト勝利を上げた。そしてONEスーパーシリーズに参戦すると、一気に階段を上り詰めたのだった。

まず2018年10月、当時の世界王者チュアン・カイ・チン(台湾)をユナニマス判定で下し、ONE女子アトム級キックボクシングの世界タイトルを奪取した。

さらに今年2月、同じくユナニマス判定でジャネット・トッド(米国)を破り、ONE女子アトム級ムエタイの初代世界王座を獲得。ONE史上初の2種目制覇を果たしたのだった。

今やONEきっての女性スターとした名を馳せるスタンプは、この奇跡的とも言える成功はウォンあってこそだと考えている。

「ONEのような立派な団体で世界チャンピオンになれるなんて、夢にも思っていなかった」とスタンプは打ち明ける。

「フェアテックスに来てウォンさんの指導を受け始めてから、人生のあらゆる面が上向いてきた」

「ジムに迎え入れ面倒を見てくれただけでなく、とても親切にしてくれた。本当に感謝してもしきれない。彼はその豊富な人生経験からアドバイスもくれる。例えばお金を節約するようというようなこともね。彼は良き人生の先輩でもある」

スタンプは彼の助言を胸に刻んでいる。 結局のところ、ウォンはムエタイのコミュニティで愛されている人物なのだ。

ウォンは1971年にフェアテックスのブランドを立ち上げ、1975年にジムを開業した。以来いつでも、率先して事業に関わってきた。

将来の計画を作るにせよ、選手のトレーニング合宿を監督するにせよ、または施設での日常業務をこなすだけであっても、彼はジムの文化にとって基礎をなす存在であり続けている。

「ジムの誰かが大きな試合を控えている時は、彼はトレーニング中ずっとそこに座って、きちんとトレーニングできているか確認してくれる。 魚やビタミンを多くとるなど、栄養面でも気を配ってくれている」

「彼がジムにいる時、みんな気合いが入っていつも以上に張り切るの。でも彼の前でベストなものを見せたいって思うからちょっと怖い。彼はトレーナーも叱咤するから、彼らも気を張りつめている」

「彼は別に来る必要があるわけではない。もう70歳だから。でも彼は私たちのために、来たいから来てくれる。本当にありがたいこと 」

Stamp Fairtex emotional after her second mixed martial arts win

ウォンとスタンプの絆は、通常のマネージャーと選手の関係よりもずっと深い。 実際、両者の間には父親と娘のような絆がある。

ウォンはスタンプのトレーニングと食生活を手助けするだけでなく、金融資産の管理にも助言を惜しまない。

スタンプが成功街道を歩んでいるのを見れば、ウォンの教訓や助言が彼女の中に生きているのは明らかだろう。

「チャンピオンになることは山に登るようなものだと教えてくれた。山が高いほど、寒くなる」

「彼はまた、トップであり続けたいならさらに一生懸命トレーニングし、より集中しなければならないとも教えてくれた」

スタンプはONE世界王者3冠を達成する意欲に溢れており、ニューイェンとの対決にこれまで以上に集中している。この試合に勝てば、3冠という究極の目標にまた一歩近づくことになるのだ。

マニラ | 11月8日 (金) | 18時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)