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ONEシンガポール選手の勝利ベスト5

2020年6月27日

シンガポールは急速に、アジアの総合格闘技の中心地としての地位を確立してきた。

過去数年に渡り、数々の地元出身アスリートが台頭し、劇的な勝利や世界タイトル獲得といった素晴らしいパフォーマンスを披露して、シンポールの名を高めてきた。

これらのヒーローたちは、新世代の格闘家に影響を与え、ONEチャンピオンシップで成功を収めてきた。まだ始まったばかりだと言う人もいるだろう。

この記事では、ONEチャンピオンシップを舞台にした、シンガポールの選手たちの最高の勝利のベスト5を紹介する。

病み上がりでも“止められない”アンジェラ

ONE女子アトム級世界王者アンジェラ・リーは、ONEを代表するような数々の優れたパフォーマンスを見せてきた。その中でも驚異的だったのは、2017年5月に開かれた「ONE:DYNASTY OF HEROES」。ムエタイ世界チャンピオンに2度輝いているイステラ・ヌネス(ブラジル)との戦いだ。

はた目には、リーはいつも通りの元気な姿でONEのケージ「サークル」に歩いているように見えた。だが実は、わずか1週間前に肺炎と診断されていたのだ。実際、試合のわずか数分前に、更衣室で嘔吐までしていた。

こうした健康面での懸念にもかかわらず、その夜のリーは見事なまでに、誰がチャンピオンであるかを証明した。

第1ラウンド、リーは打撃で距離を縮めると、ヘッドロックテイクダウンでヌネスを投げ倒し、ヌネスのムエタイの攻撃を封じる。ヌネスは逃れようとしたが、リーが背中を取ってリアネイキッドチョークに行き、さらには背骨をひねるツイスターまで試みる。

ヌネスは第2ラウンド、打撃で突破口を開こうとするが、リーがローキックを掴んでマットに倒す。ヌネスは立ち上がろうとするが、リーはヘッドロックのポジションからアナコンダチョークを決め、ヌネスの頭にヒザを蹴り込みキャンバスに引きずり倒そうとする。

最終的にリーは足を掛けてヌネスをキャンバスに倒し、さらにきつく絞め挙げる。これにはヌネスも長くはもたず、ギブアップせざるを得なかった。止められないという意味のリングネームの“アンストッパブル”が意味する通りのパフォーマンスだった。

クリスチャン・リーが世界王者を撃破

状況はクリスチャン・リーにとって不利なように見えた。

2019年5月にシンガポールで開かれた「ONE:ENTER THE DRAGON」で、リーはフェザー級から階級を上げ、当時のONEライト級世界王者で日本の格闘技の伝説、青木真也に挑戦した。

両者は過去に、シンガポールのメガジム「Evolve MMA」でトレーニングを共にしたことがある。だがリーはすぐに、かつて青木が持てる全てを教えてくれわけではないと悟ることになる。

試合開始のゴングが鳴って数秒後、青木はテイクダウンを仕掛け、地元のヒーロー、リーをマットに倒してプレッシャーをかける。リーは逃れようとロープを蹴ろうとするが、青木はその勢いを生かしてアームバーに行く。青木はリーの腕を不自然な角度にまで絞め上げるが、リーはなんとか耐え抜き第1ラウンドを終える。

リーは痛みを振り払い、意を決して第2ラウンドに入る。青木のテイクダウンを切ると、コーナーまで押しやって顔面を右クロスで捉え、さらに左ストレートをアゴに決める。

崩れ落ちた青木に対し、リーがさらにパンチを振り下ろし続けると、レフェリーがストップ。リーは勝利と共に、ONEライト級世界タイトルを手に入れたのだった。



カーンが元世界王者にサブミッション勝ち

アミール・カーンはクリスチャン・リーとならび、ONEチャンピオンシップ史上、最多ノックアウトを誇る。だが、2018年9月の「ONE:BEYOND THE HORIZON」では、進化を遂げたサブミッションを披露した。

カーンは見事な5連勝の後、元ONEフェザー級世界王者ホノリオ・バナリオ(フィリピン)を相手にライト級マッチに臨んだ。

試合は熾烈な打ち合いで始まり、ノックアウトアーティストとして知られる両者による打撃戦になるかと思われた。だが、ウーシューの使い手バナリオがコンビネーションで前に出た時、カーンは屈んでパンチを避けたかと思うと、巧みなダブルレッグテイクダウンを決める。

バナリオは立ち上がり、さらにコンボで前に出るが、カーンはマットに倒す戦略で行く。バナリオは片足で踏ん張ろうとするが、カーンは背中に組み付いてキャンバスに引きずり倒す。

カーンはリアネイキッドチョークを狙うが、バナリオもうまく防ぐ。しばらくもみ合いが続いた後、カーンは巧みにバナリオの左腕を左足で抑えようとする。バナリオが足を押しのけると、カーンはその隙に右腕をアゴの下に滑り込ませる。

その時点で、カーンはがっちりとホールドし、バナリオはギブアップせざるを得なかった。

テオが三浦をストップ

ティファニー・テオは2020年2月にシンガポールで開かれた「ONE:KING OF THE JUNGLE」で、柔道黒帯3段の三浦彩佳と対戦。自身が最強クラスの女子ストロー級選手であることを証明した。

試合は三浦がすぐに、テオをキャンバスに倒して袈裟固めのポジションに向かって動く。ポジションを確保すると、三浦はONE過去3試合でのサブミッション勝ちに使った、トレードマークのアメリカーナを決めに行く。だがテオは、三浦の腰に手をまわしてヒザの上に転がり、立ち上がって脱出する。

三浦は容赦ないグラップリング(組み技)の攻撃を続け、袈裟固めからのアメリカーナと三角絞めを狙うが、テオは防ぐ方法を見出す。

テオのディフェンスは第2ラウンドにさらにキレを増したように見えた。三浦が腕を掴んでテイクダウンを試みようと背を向けた時、テオは空いた手で三浦の顔を打ち据える。三浦が疲れを見せると、テオは完全に試合をコントロールし始めた。ハイキック、ローキック、ジャブ、左フック、右ストレートライツで三浦を削る。

第3ラウンド、テオは三浦のテイクダウンを切ると、打撃を繰り出し寄せ付けないようにする。試合終了間際、三浦の最後の望みをかけたシングルレッグテイクダウンに行くが失敗。片足にしがみつく三浦に対し、テオが頭に体にとパンチやヒジを打ち込み続けると、レフェリーは試合を止めざるを得なかった。

メイ・ウウイのデビュー

It's not over till it's over.

It's not over till it's over. Singapore | 24 November | TV: Check local listings for global broadcast | PPV: Official Livestream at oneppv.com | Tickets: http://bit.ly/onepursuit17

Posted by ONE Championship on Tuesday, November 14, 2017

メイ・ウウイのONE初戦は厳しい戦いだった。

水泳の五輪代表として活躍したウウイは、2017年8月の「ONE:QUEST FOR GREATNESS」で、ONEデビュー。長年のライバルで評判の高いベテラン、アン・オスマン(アフガニスタン)と対峙した。41歳という年齢にもかかわらず、ウウイは第1ラウンドでのフィニッシュ勝ちを決め、その存在を知らしめた。

当初、優位に立っているのはオスマンのように見えた。オスマンは強烈な右オーバーハンドフックでウウイをキャンバスに倒すと、さらに飛びかかって重いグラウンドパンチを浴びせる。

ウウイは落ち着いて立ち上がったが、オスマンはクリンチで攻め、サークルウォールを背にプレッシャーをかけ、機を見てはヒザを打ち込む。

だが試合開始2分、流れは変わった。ウウイはオスマンの勢いを利用してキャンバスに投げ倒すと、サイドコントロールのポジションから側頭部にヒジを打ち込む。だがオスマンは立ち上がりウウイをさらに攻める。

だがウウイはオスマンに腕を巻き付けると、サークルウォールから引き離して前方に投げ倒し、背中を取る。そこから、柔術のアドバンテージを利用し、リアネイキッドチョークを決め、サブミッション勝ちを決めたのだった。