特集

セネガル相撲のスター、オマール・ケインのこれまで

2021年7月7日

オマール・ケイン(セネガル)は、総合格闘技界では比較的キャリアは浅いものの、すでにONEチャンピオンシップでは注目を浴びている。

ケインはONEデビュー以来、わずか2ヶ月以内にアライン・ンガラニ(香港)と、パトフィック・シミッド(スイス)を第1ラウンドでフィニッシュして連勝。完璧なスタートを切った。

ONE on TNT IV」では、キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)を相手にキャリア初黒星を喫したが、アフリカのヘビー級のアスリートであるケインにはまだまだ期待できる点があるし、ONEのケージ「サークル」への復帰を待ち望むファンもいる。

この記事では、ケインがONEチャンピオンシップに参戦するまでの道のりを振り返る。

苦難の日々

Heavyweight superstar "Reug Reug" Oumar Kane makes his ONE debut

ケインは、首都ダカールの郊外にある小さな町、ティアロワ・シュル・メールで6人きょうだいの1人として生まれ育った。

家は漁業を営んでおり、生活が苦しいこともあった。近くの海での漁獲量は年々減少しており、生き延びるために必要な量を獲るために、船で何キロメートルも沖に出なければならなかった。

質素な生活を送っていたが、幼い頃の苦難を経て現在、ケインは戦士へと育ちあがった。

「生活は苦しかったが、いつも問題を解決するために頑張っていた」と、ケインは振り返る。

「楽なことばかりではなかったが、そのおかげで今の自分がある」

周りの多くの人々は、かろうじて生計を立てるよりも、より良い機会を求めて命がけでヨーロッパに移住しようとした。多くはその旅路で命を落とした。

ケインは生き延び、成長するための他の方法を見つけた。それは、彼の国の“国技”だった。

セネガル相撲へ

ケインは16歳のとき、セネガル相撲とも呼ばれる伝統的なレスリング技術の練習を始めた。

セレール族が数百年前に生み出したとされるこの技術はもともと戦争のためのものだったが、現在ではフランス語で「ルタ・アベック・フラップ」とも呼ばれ、砂の上で行われる打撃もありのレスリングという形式になっている。セネガルはその興行は大人気だ。

ケインはここで才能を発揮し、数ヵ月間のトレーニングと家族の励ましを受けて、セレール族の村へと旅立った。

それから数年間練習に没頭し、自分の可能性を最大限に生かす方法を学んだ。

「両親はいつも支えてくれる。努力すればなんでもできると信じてくれている」

「セレール族のコミュニティは、レスリングの世界では有名だ。だから、家を出てそこでトレーニングすることにしたんだ」

何百回も試合をして、多くの勝利を挙げたケインは、より大舞台に立つ準備ができていた。

首都で全戦全勝

ケインは20歳でセネガルの首都に戻り、すぐにスターになった。

ダカールのスタッド・デンバ・ディオップという、セネガル相撲の名選手が集うスタジアムで同国のトップ選手たちを相手に完璧な記録を打ち立てた。

「メインアリーナで16試合を戦い、すべて勝った」

「いつかチャンピオンになって、もう1度、アリーナのキングになりたい」

だが、総合格闘技に惹かれて、母国での圧倒的な活躍に一旦終止符を打つことにした。

世界に名を馳せ、家族を養うチャンス。ケインは迷うことなく、転向を決意した。

「いつだって戦ってきた。レスリングのチャンピオンだったし、総合格闘技は自然な流れだった」

2019年に初めて4オンスのグローブを着けて超人的な強さを発揮して、第2ラウンドTKOで勝利したとき、まさにそれは自然な流れかのように見えた。

そのパフォーマンスは、世界中の格闘技関係者を惹きつけた。ONEのマッチメーカーを含めて。

世界王者への道

ケインは、世界の舞台で戦うチャンスを得たことを喜び、まだキャリアはスタートしたばかりではあったが、総合格闘技の歴史の一部になれると確信している。

「とても名誉なことだと思う。史上最も有名なアフリカのチャンピオンになりたい」と、ケインは語っている。

「ONEが自分を世界的なスーパースターにしてくれると信じている。多くの団体からオファーがあったが、ONEがこの世界では中心地になっているみたいだ」

「最初の試合から、インスタグラムだけで2万人以上のフォロワーを獲得した。自分がチャンピオンになったら、世界的な出来事だと思う」

ONEのケージ「サークル」でのデビュー戦では、才能の片鱗をしっかりと見せつけた。

1月の「ONE: UNBREAKABLE II」では、体調は万全ではなかったにもかかわらず、ンガラニを第1ラウンドで打撃で仕留めた。

「とても感動した。怪我をしていたので、得意な技が使えなかったが、ファンをがっかりさせたくなかった」

「基本的には片腕で戦っていた」

ケインはヘビー級の頂点を目指したいと思っており、その自信は、ジムでのハードワークと、自分の仕事を学び続けて夢を実現するという信念に基づいている。

ケインは「ONE on TNT IV」を前に、次のようなコメントをしている。

「頂点に立つために必要なことを教えてくれる素晴らしい選手たちと練習してきた」

「コーチは、自分の試合を本当にうまくまとめてくれているし、自分はスターになる準備ができていると信じている。すべての時間は、チャンピオンになるために使っている。今の自分にとって、他のことはどうでもよくて、チャンピオンになることだけを考えている」

「対戦相手の誰よりもハードなトレーニングをしている。チャンピオンになるまで、ずっと同じように続ける」

「ブロック・レスナーのような偉大なヘビー級チャンピオンを見てほしい。レスリング出身で、プロで10戦しただけでチャンピオンになった。自分も同じことができると信じている」

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