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【9/6大会】マイケル・パンがいじめられっ子から世界レベルの格闘家になるまで

2019年9月3日

ONEチャンピオンシップが初開催されるベトナムで、マイケル・パン(イギリス/ベトナム)がプレリム 第1試合に登場する。

9月6日(金)に開かれる「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」の、フェザー級ムエタイマッチで、モハメド・ファクリ・ビン・ユソフ(マレーシア)と対戦する。

この試合はパンにとって、ONEデビュー戦。地元ファンの前で試合をするのを心待ちにしている。

彼が大舞台に立つ前に、家族とムエタイとのつながりが、どのようにしてパンに自信を与えてくれたか、そして格闘技の世界の舞台に導いてくれたかを紹介する。

ゲーム少年

パンはロンドンで、ベトナム人の両親の間に生まれた。両親はベトナムでの長きにわたる戦争から逃れて英国にやってきたのだった。

母はベトナム北部ハノイ出身で、父は南部ホーチミンの出身。彼らが見つけた避難先はロンドンだった。

「戦争から逃れより良い暮らしをするために英国にきたんだ」

「叔母の一人はカナダに入国できたが、残りの家族は許可されなかった。だからここ英国に来たんだ。ロンドン周辺にはたくさんの家族がいる。家族の残り半分は今もベトナムに住んでいる」

彼の両親は縫製工場で仕事を得た。そしてパンと3人の姉を、ロンドンの北にあるトッテナムで育てた。そこで彼は人生に悩んでいた。

「何一つうまくできなかったんだ。自分が好きなものといえば、コンピューター・ゲームだけだった」

「スポーツとかそういうものが好きだったことは一度もなかった。勉強もね。ただ学校から早く家に帰ってゲームがしたかった」

いじめ撃退

転機となったのは10代の頃、いじめにあった経験だ。親戚の1人が彼をジムに連れて行ってくれたのだ。

「少しいじめられていたことがあったから、(ブルース・リーの哲学に基づいた格闘技)ジークンドーのトレーニングを始めたんだ」

「カツアゲしたりする子もいて、自分はいつもやられていた。いじめっ子に絡まれたときはいつもいとこを呼んで、何とかしてもらっていた」

「助けを求められる誰かがいるのはいいことだけど、頼りすぎたんだよね。いつまでも守ってやるのは無理だから、自分自身を守る術を身につけなきゃいけないって言われたんだ」

少年を助けた男は、今はヘッドコーチに就くフィリップ・テェイだ。フィリップは当初、パンを説得するのに苦労した。

叔母の家の外で、パンチやキックの基礎的なレッスンを施した後、ようやくパンは、週に1度ジムに通う気になった。そして徐々に、興味がわいてきた。

「自分を守らなきゃいけないって気づくまで、格闘技に興味を持ったことなんてなかった」

「自分を守らなきゃいけないって気づくまで、格闘技に興味を持ったことなんてなかった」

情熱を発見

ゲーム好きの静かな少年は、 生まれて初めて、 体を動かすことに夢中になった。そしてすぐにトレーニングに真剣に取り組むようになった。

「もっとうまくなりたいって思わせてくれたのは、トレーニングの後の感覚だ」

「その感覚がたまらないんだ。とてもいい気持にさせてくれる。ナチュラルハイみたいなものだ。だから毎日トレーニングしたくなった」

パンは18歳の時、ムエタイを始めた。初めての試合でリングのロープをくぐるときは緊張したが、勝つことができた。

試合は身体的にも精神的にも彼を変え、より大きな成功への道へと導いてくれた。

「最初の試合で勝った時、とてもいい気持だった。みんなに注目されて、賞金ももらえて」

成功への道

やる気があれば成功はやって来る。パンは全力をトレーニングに注ぎ、リングで賞金を獲得し続けた。

パンはISKA,WKA,そしてMTGPのヨーロッパでの主要なタイトルをいくつも獲得してきた。そして今「格闘技の本拠地」に足を踏み入れようとしている。

「ONEに呼ばれた時は本当にうれしかった。これまで12年間やってきたことすべてが報われたような気分だった」

「ONEの大会はずっと見てきた。ONEには世界トップクラスの選手がいるから、自分を試すいい機会になると思う」

パンにとって、ONE初参戦を祖国ベトナムのファンの前で披露できるのは、願ってもない機会だ。このチャンスを逃すつもりはない。

ベトナムの舞台で全力を尽くし、ONEの最高の格闘家たちの間でランクを上げていくつもりだ。

「家族に会いにベトナムに帰ったことは何度もある。でも試合のために来られるのはとても名誉なことだ」

「もう一度ベトナムでONEの試合をする機会があるかはわからないから、母国のみんなが自分を誇りに思ってもらえるような戦いをしないといけない」

ホーチミン | 9月6日 (金) | 21時(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)