【1/31大会】ルーツは“ラカイ“、リト・アディワンのこれまで

Filipino strawweight Lito Adiwang flexes before his match at ONE: CENTURY

ONEウォリアーシリーズ(OWS、ONE若手発掘のためのリアリティ番組・大会)にデビュー以降、リト・アディワン(フィリピン)は大活躍を続けてきた。

対戦相手たちを圧倒して勝利を挙げ、そしてONEチャンピオンシップの本大会へと道を切り開いた。

1月31日(金)にフィリピン・マニラで開かれる「ONE:FIRE & FURY」で、アディワンはポンシリ・ミートサティート(タイ)と対戦。才能溢れたストロー級ファイターの1人として、これまでと同様の素晴らしい試合を披露するつもりだ。

試合当日を間近に控え、アディワンのこれまでを紹介する。

聖域を見つけて

Lito Adiwang OWS 3 1441.jpg

フィリピン北部のバギオ市で生まれ育ったアディワンは、7人兄妹の末っ子だ。両親は農家で、アディワンが高校生の時に別居した。

アディワンにとっては辛い時期だったが、すぐにストレスに対処する方法を見つけた。

「両親が別居した時、彼らが面倒を見ていたのは自分と兄の2人だけだった。他の兄妹は他のところで勉強して、寮にいたんだ。自分は家の近くの学校だったから、自宅にいた」

「ストレスのはけ口が必要だったからスポーツや格闘技に夢中になったんだと思う。家では自分たちが抱えている問題について圧力をかけられ、学校では勉強しないといけなくて、そういう状況では集中するのは難しい」

「運動することで少なくとも、感情的なストレスは解消できると思ったんだ」

小さい頃にフィリピン出身の有名なプロボクサー、マニー・パッキャオに刺激を受けていたアディワンは、高校ではボクシングのチームに入った。試合で学校代表として出場することも何度もあった。

大学では教育学を専攻し、将来は体育の先生になることを考えていた。

この間、アディワンはボクシングからウーシューに転向し、地域レベル、そして全国レベルでも、2度大会を制覇した。

新しい夢

ウーシューで成果を出したアディワンは、フィリピン代表チームの目に留まった。だが格闘技でのキャリアと学問を両立させるのは難しかった。

「トレーニングと勉強のプレッシャーを同時にやりくりことができなかったんだ。だから1つだけを選ぶことにした」

「年をとってからでも、いつでも学校に戻ることができることに気付いた。でも年をとってしまったら、スポーツはうまくできないかもしれない。だからこっちを最初に選んだ」

アディワンは国の代表になったが、国際大会では目立った活躍はできなかった。アディワンは手ぶらで帰国し、自分が岐路に立っていることに気づいた。

「バギオに戻る前に、ウーシューを続けるのか、それとも他のことをするのか尋ねられた」

「あの頃は辛かった。学校に戻るか、代表チームを続けるかをまだ決めかねていたから。後者を選んだら、マニラに拠点を置くことになった」

「まず家に帰ったら偶然、総合格闘技のイベントがあったんだ。それでその後、プロとしてのキャリアを目指すことにした」

アディワンはムエタイベースの総合格闘技団体「Tribal Torogi(当時はBaguio Top Team)」に参加し、ジムで教えながら格闘技の試合に出た。その後、マレーシアの格闘技ジム「Muayfit」でもコーチの職に就くが、やがて戦いたいという気持ちが強まる。

学習と進化

アディワンはマレーシアで、さらに素晴らしい活躍を見せる。ブラジリアン柔術の地方大会で優勝し、全国大会でも銀メダルに輝いたのだ。

こうした経験や成果にもかかわらず、アディワンは格闘技での生活は、継続的な学習プロセスであると理解していた。そして総合的なスキルをさらに進歩させるために、スキルの幅を広げるよう勧められた。

「Muayfitでコーチをしていた間、生徒たちはさまざまな大会に出ていた。彼らには、コーチから学ぶことができなかったことがあるとわかったんだ」

「彼らは試合に戻るように自分を促してくれた。もっとたくさんのことが学べる国際的なジムを選べって言ってくれた」

アディワンは慎重に検討した後、生徒たちから経済的な支援を受けてタイの格闘技ジム「AKA Thailand」に入門し、1年半の間、技を磨いた。

アディワンはそこで有力選手の1人になり、コーチとしてスタッフに加わる機会も打診された。だが彼の長期的な目標はもう決まっていた。プロの総合格闘家を目指すということだ。

「コーチと選手の両方を同時にやっていたが、それではうまくいかなかった。だから1つだけを選ぶことにして、今は選手としてやっている。トレーニングと学ぶことに集中して取り組んでいる」

ホームへの帰還

Lito Adiwang OWS 3 1489

選手として進化したいという気持ちからアジア中を転々とした後、アディワンはフィリピンの名門ジム「チーム・ラカイ」にいる古い友人を訪ねるために地元に戻った。そしてそこからOWSへの道が開けたのだ。

「自分のルーツはチーム・ラカイ。ウーシューをやる前、彼らから基本的なウーシューのトレーニングを受けたことがあった。だって彼らはベストだし、地元ではウーシューと言えばチーム・ラカイだから」

「2017年12月頃、(OWSを監修している)リッチ・フランクリンがマニラでトライアウトすることになっていたんだ。自分は11月にフィリピンに帰国し、チーム・ラカイを訪ねたところだった」

「ラカイの人たちが、トライアウトがあるぞって教えてくれて、準備して行ってみたんだ。自分と同じような人たちがたくさんいて、最初は目に留まらなかった。でも自分たちの名前を予約してくれたんだ。それで2018年の8月に彼らが戻ってきた時、また行ってみたら、ありがたいことに選ばれた」

2018年10月に開催された3回目のOWS大会に、アディワンは出場することになった。そして素晴らしいノックアウトでマヌエル・ウエルタを倒し、強烈な印象を残すとともに、プロ戦績を7勝2敗とした。

次に待ち受けるもの

Lito Adiwang defeats Senzo Ikeda at ONE CENTURY

そこからは上がる一方だった。2019年2月のOWS4回大会では、Arberto Correiaと対戦し、第1ラウンドでTKO勝ち。さらに8月のOWS5回大会ではアンソニー・ドゥーを相手にユナニマス判定勝ちを収めた。

そしてそのDOに対する勝利により、アディワンはONE本大会への契約を勝ち取る。10月の「ONE:CENTURY 世紀」でのデビュー戦ではその契約にふさわしいことを証明。パンクラスフライ級世界チャンピオン池田仙三(仙三)を第1ラウンドTKO勝ちで破った。

間近に迫った1月31日のミートサティートとの戦いで、アディワンはONE本大会2戦目を迎える。しかも今回は母国での凱旋試合。熱狂的なファンの歓声を背に戦うことになる。

期待の新星アディワンは、成功するために必要なスキルを持っていることを示してきた。マニラで圧倒的な勝利を挙げることができれば、ONEストロー級の中でもう一段上のレベルに進むことができるだろう。

マニラ|1月31日 (金) |ONE:FIRE&FURY|公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter日本公式Instagram

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