【11/8大会】「モンゴル人の強さと勇気を見せる」ツォゴーフの来た道

Amarsanaa Tsogookhuu DC 9725

アマルサナ・ツォゴーフ(モンゴル)の苦しかった人生が報われようとしている。

11月8日(金)にフィリピン・マニラで開かれる「ONE:MASTERS OF FATE」で、ツォゴーフはフィリピンの英雄エドゥアルド・フォラヤンと対戦する。

ツォゴーフは姉の後を追って格闘技の世界へ飛び込み、そして自ら道を切り開こうと努力してきた。

今回の試合で勝つことができれば、ライト級トップ選手の一員に仲間入りできるだろう。

ONEチャンピオンシップのコーメインイベントというキャリア最大の試合に先立ち、ツォゴーフがこれまでを振り返る。

モンゴル相撲の影響

ツォゴーフはモンゴルの首都ウランバートルで生まれ育った。

姉がキックボクサーとして国際的に活躍していたため、また母国で国技として人気を誇るモンゴル相撲の影響を受け、ツォゴーフは幼いころから格闘技に親しんできた。

「他のモンゴルの少年と同じように、友達とレスリングや取っ組み合いをして育った。だから総合格闘技をやるようになったのかもしれない」

「自分たちのルーツと関係があると思う。昔のモンゴルの戦士たちは、空いた時間に取っ組み合いの勝負をすることで、戦いに備えていた」

「もちろん、姉が格闘技をやっていたということにも大きな影響を受けた。ステージに上がって彼女のように名前をアナウンスされてみたいって思っていた」

ツォゴーフは6歳でトレーニングを始めたが、本格的に格闘家としてのキャリアを歩み始めるのは大人になってからだった。

その前に彼は大学で法律を学び、兵役にもついた。これは格闘家を志すのに影響を与えたもう一つの要因だ。

「2009年から2010年の間に、モンゴルの内陸部隊に勤務した。軍隊で過ごした1年間によって自分はいい方向に変わることができた」

総合格闘技への誘い

ツォゴーフはまず空手を始め、後に姉の成功に触発されてボクシングに転向した。

「子どもの頃、彼女を尊敬していたし、彼女のようなファイターになりたいと思っていた。その夢をずっと自分の中に心に留めてきた」

ツォゴーフはどちらのスポーツでも賞を獲得した。空手では「世界空手道連盟士道館」の国際大会で優勝、ボクシングでは国内チャンピオンに輝いた。だが彼の心に最も響いたのは総合格闘技だった。

ツォゴーフは2015年、モンゴルの総合格闘技の先駆者として知られる選手たちとトレーニングし、総合格闘家という道を考え始める。

「空手やボクシングを辞めて総合格闘技をやろうと決めたのは、プロの格闘家として活躍する彼らが自分たちのクラブで練習していたからだ」

「彼らは海外に行き国際大会に出場していた。彼らのようになりたいと思った。それで決意したんだ。それが彼らと総合格闘技の練習を始めた理由だ」

成功のための犠牲

ツォゴーフはすぐにこの新しいスポーツに夢中になり、トップを目指して全力を注いだ。

「全ての時間を練習に費やしていたから、フルタイムの仕事はしなかった。プロのファイターを夢見る無一文のアスリートだった」

「魅力的な求人もあった。経営者のボディーガードとしてかなりの報酬を提示されたものだが、全部断ったよ。自分の夢に賭けたかったんだ」

献身的な努力によりツォゴーフは、モンゴルの格闘技団体「MGL-1 Fighting Chapionship」のライト級チャンピオンに輝く。だが彼の財政状況では自分と家族を養うことはできなかった。

両親を養うことができなくても、彼らはツォゴーフの夢を応援し続けた。

「両親に借りたお金を返せなかったのが最も重い負担だった」

「これは自分のキャリアの中で、そして自分の人生の中で最も困難な試練だった。夢を達成できなかったらどうしよう、自分を育てるために全てを犠牲にした両親を失望させたらどうしようという考えに、繰り返しさいなまれていた」

だがツォゴーフは強い意志を持って夢の実現に取り組み、ONEに参戦し報酬を得ることができるようになった。ようやく彼は、情熱に従いつつ、家族を養うことができるようになったのだ。

メジャー大会に到達

ツォゴーフは今年2月、ONEデビューを果たした。代役として急きょ出場が決まり、タイのベテラン、シャノン・ウィラチャイと対戦したのだ。

準備期間が少なく、しかも経験豊富な選手と相手のホームで戦うという不利にもかかわらず、ツォゴーフはユナニマス判定で勝利を獲得。すぐにライト級の有力選手として見なされるようになった。

この勝利のおかげでツォゴーフは今回、キャリア最大の試合に臨むことになった。彼はこの試合が、母国モンゴルに光を当てるチャンスだと思っている。

この機会を最大限に活用し、モンゴルの格闘技のレベルが世界中どこでも通用することを証明したいと願っている。

「自分の国が大好きだ。世界最高レベルのファイターと戦うことで、モンゴルにも注目が集まると思う。総合格闘技はモンゴル人の強さと勇気を見せる大きなチャンスだと思っている」

「モンゴルのためにできることは何でもしたい。総合格闘技はモンゴルを海外にアピールする絶好の機会をくれた。もし自分が世界王者のベルトを手にしたら、世界中の人がモンゴルのことをもっと知るようになるだろう。それこそが自分が望んでいることなんだ」

マニラ | 11月8日 (金) | 18時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)

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