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親、コーチ、無名の人…ONE選手が語るヒーロー

2020年7月6日

ONEチャンピオンシップのアスリートは、ファンや次世代の格闘家達の間ではヒーローとされているが、彼ら自身にも尊敬しているロールモデルガいる。

両親や、正義のために立ち上がった人々、コーチやもしくは名も無き人々らだ。

ONEアスリートに、人生に影響を与えたヒーローについて聞いた。

岡見勇信

Japanese mixed martial arts icon Yushin Okami wears the winner's medal

「今でも私の記憶に強烈に残っていて、困難な場面に遭遇した時には必ず思い起こすことがある。それは私の父の姿」

「父は6年前に、癌で亡くなった。進行が早く、末期癌と診断されてからわずか3ヶ月ほどだった」

「癌性疼痛で壮絶な痛みが24時間つきまとい、心身ともにボロボロの状態。屈強な身体が自慢だった父が、痛みが強く自力で歩くこともままならず車椅子での通院。そんな状況でも、たとえわずかでも生存率が上がるなら、と父は『手術を受けます』と医師の前で明言した」

「家族のために、生きることを諦めなかった。手術どころではない、何をしてもどんなことをしても消えない痛みと戦っていたのに。その勇気ある姿は、目に焼き付いていて離れない」

「後にその手術は、父の身体的状況から耐えられないと判断されドクターストップに。それほどまでに悪化していたにも関わらず、自分のためではなく家族のために、父は生きることを諦めなかった」

 「最期まで、周りに気を遣わせまいと笑顔を見せ、冗談を言う父の姿に感服した。私には真似できない」

「私は自分の弱さに飲み込まれそうになった時は、どんな辛い状況でも周囲への優しさを忘れず、勇ましく行動した父のあの姿を思い出す」

「身をもって示してくれた生きざま。 父以上の勇敢なヒーローにはまだ出会えていない」

ジェヘ・ユスターキオ

Filipino MMA fighter Geje Eustaquio training with Team Lakay head coach Mark Sangiao
「自分のヒーローは、マーク・サンジャオだ」

「何もないところから、成果を出すのを見てきた。単なるひらめきから—情熱と言うべきか、と言うところから始めたんだ。この情熱のおかげで、数多くのチャンピオンを育て上げた。総合格闘技の世界チャンピオンだけでなく、コミュニティにとっての世界チャンピオンをね」

「『可能性』についてのお手本だ。彼にとっては、情熱と勤勉さがあれば、不可能なことなんてない。彼の情熱や仕事ぶりには心を動かされた。正しい行いによって、何もないところから何かを作り出した。なぜなら(所属するフィリピンの強豪ジム)『チームラカイ』は、本当に何もないところから始まったのだから」

「本当に何もないところから始めたんだ。マットと小さなジムしかなかった。そこから成長して、今は世界中で知られるようになった。色んな格闘技団体で7人の世界チャンピオンを生み出した」

「サンジャオの人生を振り返ると、すごくモチベーションがあがるし、励まされる。『不可能』なんて気にしない周囲の疑う人々全員にそれぞれ、証明して見せたんだ。勤勉と情熱があれば、不可能を可能に変えられるって」



手塚裕之

Japanese mixed martial artist Hiroyuki Tetsuka

20歳くらいの時だったと思う。日本の駅構内で刃物を持って暴れる暴漢を制した男の人を見た。喧嘩だったのか、詳しくは分からないが、小さい刃物で少し切りつけられながらも取り押さえて警察呼んでいた」

「5メートルほど離れた位置から見ていた。恥ずかしながら、何もせず見ているだけだった」

「今なら身体を張ってでも人助けしたいと思う。ナイフは怖いけれども」

佐藤将光

Shooto Bantamweight World Champion Shoko Sato enters the Mall Of Asia Arena

「組織で立場に関係なく間違っていると思ったことに声を出してる人。もしくは、駅でお年寄りが荷物持って階段登ってるところを見て、声かけようか皆が躊躇しているところで、素早く荷物を持って階段登っていった人を見た時、かっこいいなと思った」

「それ以来自分もそうなれるよう、率先してそういった行動とるようにしている。あの時のあの人達がヒーローだ」

クリスチャン・リー

The first sibling World Champions in mixed martial arts history, Angela and Christian Lee

「自分にとって、試合での最も勇気ある行動は、自分の姉によるものだ」

「(2017年5月の『ONE: DYNASTY OF HEROES』でイステラ・ヌネスを相手に、2度目のタイトル防衛戦の準備をしていた時、姉は52.2キロまで体重を落とそうとしていた」

「試合の週は、重い病気になって病院に行った。医者は、肺炎だと言った。抗生物質を飲まないといけなかったが、それで事は難しくなった。水分を保ってしまうから」

「なんとか体重を合わせて試合に出た上、アナコンダ・チョークで第2ラウンドに相手をフィニッシュした。試合で見た一番勇気ある行動だった。脱帽した」

「(ONEチャンピオンシップの会長兼グループCEO)チャトリ・シットヨートンが試合は出なくていいって言ってくれたんだ。何がなんでも、戦いたいと言ったのは姉だった。称賛に値するよ」

アンジェラ・リー

Angela Lee with her mother, her father, her brother Christian, and her husband Bruno Pucci

「たくさんの人が、セレブをヒーローとして育ったと思うが、自分にとっては両親だ」

「一生懸命働いて、自分たちの世話をして、自分たちにとって一番いいことを探してくれた。本当に素晴らしい人生を授けられた。今の自分たちの生活があるのは、両親や両親の犠牲やハードワークのおかげ。だから、両親が究極のヒーローだ」

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