特集

2019年ONE総合格闘技ベストバウト10選

2019年12月31日

ONEチャンピオンシップのヒーローたちは2019年、数々の忘れがたいパフォーマンスを披露してくれた。だがその中で今年最高のマッチアップの1つと呼ばれるためには、その名誉なレベルに到達するに相応しい対戦相手も必要なのだ。

幸い、この記事で紹介する総合格闘家たちは全て、その点でも申し分なかった。

5ラウンドを争う世界タイトルマッチであれ、息をつく暇もないような3ラウンドの戦いであれ、はたまたレジェンド同士の注目の勝負であれ、我らがアスリートたちはサークルで全てを出しきった。

全ての試合を消化した今、2019年の総合格闘技のベストバウト10選を発表する。

#1 アンジェラ・リー vs. ション・ジンナン(1戦目)

ONE女子アトム級世界王者のアンジェラ・リー(シンガポール)は3月に東京・両国国技館で開かれた「ONE:A NEW ERA 新時代」で、歴史に挑もうとしていた。

リーはONEで女子初の2階級制覇を懸けて、ONE女子ストロー級世界王者のション・ジンナン(中国)に挑んだのだ。だが結果としてその挑戦は失敗に終わった。

試合が始まると、リーは打撃と巧みなグラップリング(組み技)で素早く動き出す。ションは強打を何度か決めるが、リーがスピードを非常に効果的に使う。リーは第2ラウンドも同じ戦略で攻め続けるが、第3ラウンドに入りペースが落ちると、ションがコンビネーションを決めるようになる。

だが第4ラウンド、リーは戦略を変えてくる。ションをキャンバスに倒すと、三角締めからアームバーに移る。ションの腕が不自然な角度まで曲がったが、ションはなんとか耐えて第4ラウンドをしのぐ。

最終第5ラウンドに入ると全てが一変する。ションが猛烈な勢いで前に出ると、明らかに疲れを見せるリーを相手に、強烈なコンビネーションを決める。

リーに残されていた力は全て、ボディへの強打で奪われた。ションが追い打ちをかけるようにボディへのキック、一連のパンチを浴びせると、レフェリーも試合を止めざるを得なかった。

#2 アウンラ・ンサン vs. ブランドン・ベラ

Aung La N Sang battles Brandon Vera at ONE: CENTURY

ONEヘビー級世界王者のブランドン・ベラ(米国)は10月、2階級制覇という夢の実現を目指して、ライトヘビー級に階級を落とした。

だが対戦相手、ONEミドル級とライトヘビー級の世界王者アウンラ・ンサン(ミャンマー)はそのもくろみを外した。東京・両国国技館で開かれた「ONE:CENTURY 世紀」第2部のメインイベントのことだった。

アウンラ・ンサンは試合序盤からより積極的に攻め、強烈なローキックを何度も決める。ベラも得意なカウンター攻撃を生かし、ボディに激しいキックを打ち付ける。

ベラはパワフルな打撃を生かしてフィニッシュを狙いに行くが、アウンラ・ンサンはかわし、攻撃からうまく身を守り、第1ラウンドを終えた。

第2ラウンド、両者は近距離で重い打撃を打ち合う。だがスピニング・バックエルボーという、試合を決定付ける1打を放ったのはアウンラ・ンサンだった。

ベラもスピニング・バックエルボーをやり返そうとするが、アウンラ・ンサンは身をかがめて右フックを決め、ベラはヒザから崩れる。そしてアウンラ・ンサンはレフェリーが止めに入るまで、グラウンドパンチを浴びせ続けたのだった。

#3 アリエル・セクストン vs. アミール・カーン

Costa Rican grappler Ariel Sexton tries to take down Singapore's Amir Khan

コスタリカのアリエル・セクストンとシンガポールのアミール・カーンは2月にシンガポールで開かれた「ONE:CALL TO GREATNESS」で、3ラウンドに渡る壮大な激闘を見せた。

実際、この試合はONEライト級世界グランプリの準々決勝の中で、最も見ごたえがある試合だった。

第1ラウンド、カーンは優れた打撃を生かして優位に展開し、グラップラーのセクストンが前に出て寝技に持ち込もうとするのを避ける。地元のヒーロー、カーンの快調な出足はホームの観客を大いに沸かせる。

第2ラウンド、カーンの右カウンターでセクストンが一瞬キャンバスに倒れる。カーンはすかさず勝負を決めにかかるが、セクストンが何とかやり過ごす。

そして形勢が変わる。疲れを見せ始めたカーンに対し、セクストンは第2ラウンド終盤にテイクダウンを決める。

セクストンはそこでは何もできないまま終わったが、第3ラウンドに入ってもプレッシャーを強める。パンチでカーンを捉え、テイクダウンを奪い、そしてカーンの後ろを取る。手をもぐりこませてリアネイキッド・チョークを決めると、カーンはギブアップせざるを得なかった。

#4 エブ・ティン vs. 阿部大治

ONEライト級世界タイトルに挑戦した経験のあるエブ・ティン(マレーシア)は、連敗の後、もう後がなかった。

さらに、ホームであるマレーシア・クアラルンプールでの無敗記録を維持したかった。そのため7月の「ONE:MASTERS OF DESTINY」で阿部大治との対戦を迎えた時はいつも以上にモチベーションが高まっていた。

第1ラウンドは互いに相手をキャンバスに倒し合い、熱闘を繰り広げた。阿部が先にコンビネーションでカーンを捉えると、ティンも右オーバーハンドでやり返し阿部をダウンさせる。

第2ラウンドも激しい打ち合いになるが、やがてティンが再び右オーバーハンドで阿部からダウンを奪う。

ティンは駆け寄るとグラウンドパンチを浴びせ、阿部が逃げようとした時、背中を取ってリアネイキッドチョークを決めた。このサブミッションはがっちり決まっており、第2ラウンドあと16秒というところで、阿部はギブアップせざるを得なくなった。

#5 エドゥアルド・フォラヤン vs. エディ・アルバレス

Filipino hero Eduard Folayang and American mixed martial arts legend Eddie Alvarez show respect before their battle

ライト級世界チャンピオンに何度も輝いたエディ・アルバレス(米国)は8月の「ONE:DAWN OF HEROES」で、元ONEライト級世界王者のエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)と激突した。実はこの対戦の数週間前、アルバレスはこの試合が2019年のベストバウトになるかもしれないと語っていたのだ。

その予言は当たらずとも遠からずといったところだ。ONEライト級世界グランプリの準決勝戦として行われたこの試合は、フィリピン・マニラの会場に詰めかけたファンの感動を呼び起こし、そして今回ベストバウト10選にも選ばれたからだ。

第1ラウンド開始直後から、フォラヤンはパンチ、回転系の打撃、ローキックを決めてアルバレスを圧倒。アルバレスはローキックを受けて一度、キャンバスに倒れる。

フォラヤンはそのチャンスを捉えようと、アルバレスに襲いかかり、猛烈なグラウンドパンチを振り下ろす。だがアルバレスは落ち着いてかわすと、トップポジションを取って形勢を逆転させる。

アルバレスがマウント・ポジションに移ると、フォラヤンは逃れようと背中を見せる。だがそれがフォラヤンの破滅へとつながる。アルバレスは素早く腕をアゴの下に滑り込ませリアネイキッド・チョークを決め、フィリピンの英雄を相手に第1ラウンドでのサブミッション勝ちを収めたのだった。

6位以下

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