“Wonder Boy”ファブリシオ・アンドラージ

ファブリシオ “ワンダーボーイ” アンドラージは、いまや揺るぎない自信をまとい、世界トップの舞台に立っている。
しかし、その強さと大胆さは、一朝一夕で手に入れたものではない。

ブラジル北東部の都市フォルタレザで育ったアンドラージは、幼い頃から困難と向き合い、自尊心も低かった。
周囲の環境も、才能を伸ばすには十分とはいえなかった。

だが、すべてはある日を境に動き出す。

13歳でムエタイと出会い、瞬く間にその魅力にのめり込んだ。
毎日のように長時間ジムに通い、試合に向けてひたすら技を磨き続ける日々。
その努力はすぐに結果となって表れ、次々と勝利を重ね、周囲の称賛を集めた。

自信が芽生えたアンドラージは、「この街を出て、格闘技で大きな成功をつかみ取れる」と本気で信じるようになる。

その後、ムエタイとキックボクシングの試合で世界中を転戦し、40勝3敗という圧巻の戦績を築き上げた。
さらなる挑戦を求め、2014年にMMAへ転向。
2018年にはタイ・プーケットの名門タイガー・ムエタイに移籍し、本格的に世界を狙う体制を整えた。

経験を積んだアンドラージは、2020年7月にONEへ参戦。
デビューと同時に世界のファンへ鮮烈なインパクトを残す。

試合を重ねるごとに成長を見せつけた“ワンダーボーイ”は、ついにONE Fight Night 7で宿敵ジョン・リネカーをTKOで下し、
ONEバンタム級MMA世界王座 を獲得。
長い旅路の先に、ついに世界の頂点へとたどり着いた。