ONE女子アスリート同士の試合5選

Xiong Jing Nan DC 8010

女子アスリートがONEチャンピオンシップのケージ「ザ・サークル」に足を踏み入れた時、男性選手と同様に、ファンを沸かせるような激しい攻防を繰り広げるだろう。

実際、そうなる可能性は高いと言える。

これまで、ONEの舞台では、どの試合でも、電撃的なフィニッシュや手に汗握るスリリングな展開が繰り広げられてきた。特に世界タイトルが懸かった試合ではそうだ。

ONEの試合の中から、女子選手同士の対決5選を紹介する。

#5 スタンプ・フェアテックス対アルマ・ユニク

スタンプ・フェアテックス(タイ)が2019年6月の「ONE:LEGENDARY QUEST」で、アルマ・ユニク(オーストラリア)を相手にONEアトム級ムエタイ世界タイトルの初防衛戦に臨んだ時、スタンプはかつてないほどの逆境にさられた。

ファンにとっては幸運なことに、この試合はスタンプのONEでのキャリアの中で最もエキサイティングな勝利となった。

タイのスーパースター、スタンプはまずは何度も素晴らしいカウンターを決め、この試合もいつも通りの勝利かと思わせる。だがハングリー精神にあふれるユニクは第3、第4ラウンドに盛り返すと、残り3分を残してどちらに転ぶか誰にもわからない展開となる。

最終第5ラウンドのゴングが鳴ろうとする時、スタンプは疲れ切っているように見えた。だが世界チャンピオンとしての意地を見せ、残った力を振り絞って戦い切り、ユナニマス判定で勝利をもぎ取ったのだった。

#4 アンジェラ・リー対山口芽生

アンジェラ・リー(シンガポール)と山口芽生が、ONE女子アトム級初代世界王座を賭けて戦った試合は、2016年のベストバウトとなる熱戦だった。

両者は共に、ONEの歴史にその名を刻もうと、5ラウンド25分に渡り息もつかせぬような激しい攻防を展開した。両者の攻撃は、通常であればフィニッシュにつながるような激しいものだったが、打撃もサブミッションも、互いの素晴らしいディフェンスに阻まれた。

第2ラウンドが終わったところで、リーは優勢に立ちかけているように見えた。だが試合はリーの思い通りには進まない。リーが珍しく集中力を欠いたところで、山口が強烈な右手を炸裂させてリーからダウンを奪ったのだ。

だがリーは、リングネームの“アンストッパブル(Unstoppable)”の通りだった。キャリア史上初めて第4、5ラウンドを経験したものの、実際、ダウンの後はさらに強さを増したかのように見えた。そして史上最年少で世界チャンピオンに就任するという快挙を達成したのだった。この記録はすぐには破られることはないだろう。

#3 ジャネット・トッド対スタンプ・フェアテックスⅡ

スタンプとジャネット・トッド(米国)の初対戦は、2019年2月の「ONE: CALL TO GREATNESS」であったONEアトム級ムエタイ世界タイトルを賭けた試合。アトム級最高峰の打撃技術を誇る両者が、パワーと粘り強さを見せつけた試合となった。だが2人の再戦はさらに素晴らしいものだった。

今年2月の「ONE:JUNGLE OF KING」でトッドは、スタンプの持つONEアトム級キックボクシングのベルトに挑戦。初対戦での敗北から1年間、リベンジに燃えスキルの向上に取り組んできたトッドが素晴らしいパフォーマンス披露し、初対戦よりももっと僅差の、激しくエキサイティングな試合となった。

両者は共に、前に出て積極的に攻撃を放ち、激しい打撃の応酬を繰り広げた。

手数の多い試合にもかかわらず、5ラウンドに渡りペースはほとんど衰えることを知らなかった。これは初対戦を見たことがあるファンなら、当たり前に感じられたことかもしれない。初対戦と異なったのは試合の結果だ。終始、試合を優勢に進めようとしていたトッドが、スプリット判定によって勝利を挙げ、見事なリベンジを果たしたのだった。

#2 ション・ジンナン対アンジェラ・リー

ONEの女子世界タイトル戦で、これ以上にドラマティックな展開を見せた試合はなかった。リーが2019年3月の「ONE:A NEW ERA 新時代」で階級を上げてション・ジンナン(中国)の持つONEストロー級世界タイトルに臨んだ時、あと少しでションを王座から引きずり下ろすかと言うところまでションを追い詰めた。

リーはションの強さには及ばないだろうとの前評判にもかかわらず、ションの激しい打撃を凌ぎ、試合をグラウンドゲームに持ち込んで圧倒したのだ。第4ラウンドには腕を決めて得意とするポジションを手に入れ、そのままフィニッシュに持ち込めるかと思われた。

だがションはほぼ2分間も、折られそうな角度でぎりぎりと決められた腕のまま、伝説的な粘り強さを見せてラウンド終了のゴングまで耐え凌いだのだった。

さらに驚くべきことに、ションは何のダメージも負わなかったかのように第5ラウンドに出てきたのだ。リーは疲れ果てていたものの、一方のションはまだ力を残しているように見えた。そしてパンチとボディへのキックにより、衝撃のTKO勝ちを決めたのだった。

#1 アンジェラ・リー対ション・ジンナンⅡ

初対戦の激闘を上回るようなドラマが生まれる可能性は低いだろうと思われた、リーとションの再戦だったが、両者は2019年10月の「ONE:CENTURY 世紀」を舞台にそのドラマを演じて見せた。

今回はションがテイクダウンの防御を強化してリーのグラップリング(組み技)の攻撃を防いだため、前回以上に僅差の打ち合いになった。ションは非常に自信にあふれ、恐れることなく回し蹴りも繰り出してきた。

一方のリーは試合中盤に寝技やグラウンドパンチを決めるが、ションは粘り強くしのぐと、第4ラウンドにはさらに激しい打撃で攻める。

だが今回は、リー得意のアトム級での戦いであり、最後のゴングが鳴るまで戦い抜く準備は出来ていた。大量の打撃を食らいながらも、最終第5ラウンド途中でテイクダウンを決めると、辛抱強く立ち回ってリアネイキッド・チョークを狙いに行く。

時計は刻々と時を刻み、リーは再び時間切れになるかと思われた。だが残りわずか12秒という所で、リーがサブミッションを決めてギブアップを引き出し、ONE女子アトム級世界タイトルの防衛に成功したのだった。

Read More: ション・ジンナン2020年の目標語る、リーとの再戦にも意欲

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