ビビアーノ・フェルナンデス、成功への軌跡

Bibiano Fernandes holds the World Title belt At ONE CENTURY PART II DUX 0009

ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)は困難な生い立ちを乗り越え、ONEチャンピオンシップ史上最も成功した総合格闘家の1人になった。

記録破りのONEバンタム級世界王者フェルナンデスは、幼少期の貧困と悲劇に耐え抜き、努力と強い意志により、より良い人生を掴み、世界的な舞台で歴史的な偉業を成し遂げ、そして家族が安心して生活できる環境を手に入れた。

ビビアーノの苦労と成功の物語を紹介する。

ジャングルの貧困

フェルナンデスはブラジル・マナウスで生まれた。大家族の一員で、子ども時代は苦労を重ねた。

母親はフェルナンデスが7歳の時に亡くなり、父親は6人の子どもを養うのに苦労して、子ども達をアマゾンのジャングル奥深くに住む叔母の下に預けた。

フェルナンデスは新しい家での生活を気にしなかったが、人生を前向きに考えるようにしていた。

「人生は誰にとっても厳しいもの。どういうことかわかるかい?」

「あの頃の生活は厳しかったが、いつも前に進み続けたし、いつだって自分の心が、自分自身が大丈夫か確認してきた。人生は簡単ではないと言う人もいるかもしれないが、自分は進み続けるだけ」

だが前向きなフェルナンデスも、ジャングルに移り住んで数年後にマラリアに罹ってしまう。父親はフェルナンデスを町に連れ戻し、回復に必要な手当てを受けさせた。

回復した後、フェルナンデスはマナウスにとどまったが、家計が苦しく働かなければならなかった。

柔術との出会い

フェルナンデスが13歳のある日の午後、車の窓を洗っていた時、ブラジリアン柔術を教えていた格闘技のジムに出会い、フェルナンデスの人生は変わった。

興味をそそられたフェルナンデスは、生徒たちがテクニックを練習するのを見るとすぐに、柔術が好きになった。会費を払う余力はなかったが、教室の好意で参加が叶う。

「コーチに『お金がないからトレーニングはできないと思う』と言った」

「そうしたら 『大丈夫だよ、それならジムを掃除してくれ』って言われた。毎日ジムに行って掃除したり手伝ったりした。柔術に夢中になり、たくさんの人に出会った。それはコミュニティだ。そういう過去のおかげで、今の自分がある」

フェルナンデスは寝技が得意で、試合に出始めてまだ間もない頃、あっという間にサブミッションを決めるところから”Flash”のリングネームがついた。2002年に黒帯を獲得し、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)の世界選手権を3度制覇。この世代の選手としては最も輝かし受賞歴を誇るグラップラーの1人になった。

ブラジリアン柔術を通してフェルナンデスは、世界的に有名なアスリートになるために必要なスキルを身に着けた。そして同時に、人としても成長することができた。

「柔術は精神面で非常に重要。そして身体面でも非常に重要」

「柔術には本当に助けられた。柔術とは自分を律することなんだ。人生の全てにおいて自信を持っている必要がある。例えば車を運転するにしても、通りを歩くにしても、女の子と話すにしてもね。人生の全ての事には自信が必要で、柔術を通して自信を深めることができる」

変革と進化

ブラジリアン柔術のおかげで、フェルナンデスは総合格闘技に転向するのに必要なスキルの基礎を身に着けることができた。プロデビュー戦ではわずか31秒でリアネイキッド・チョークを決めて勝利を挙げるという衝撃をもたらした。

その後フェルナンデスは総合格闘家のレジェンド2人を相手に、苦しい戦いを強いられた。そしてグラップリングを生かすためにもっとスキルを身に着ける必要があると気づく。カナダ・バンクーバーに移ったフェルナンデスは、格闘技ジム「Revolution Fight Team」で、進化を遂げ始める。

「コーチのビル・マフードにはとても助けられた。『ケージでは焦ってフィニッシュに行こうとするな。ケージでの戦い方についてもっと学ばないといけない』と言われた」

「『わかりました。ケージにいるときは戦います』と言った。急いでフィニッシュに行かないようにした。立ち技も進化させ始めた。コーチに言われなかったらおそらく、いつまでも柔術に頼ろうとしていたかもしれない。ケージの中を楽しまないといけないと言われたんだ」

「今はケージの中にいるとき、相手がどう来るか見極めようとする。パンチも見えるし、フィニッシュに行けると思ったら行く」

このアドバイスを生かし、フェルナンデスはDREAMの2階級王者に輝いた。そして2012年にONEに参戦し、翌年にはONEバンタム級世界チャンピオンになる。

それ以来、フェルナンデスはONE史上最も圧倒的な強さを誇るアスリートとして活躍してきた。マーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)を1度、ケビン・ベリンゴン(フィリピン)を3度破るなど、世界タイトル戦の試合数は誰よりも多い。

揺るぎない努力と決意が自身の成功をもたらしてくれたと、フェルナンデスは信じている。

「次のレベルに到達して、進むべき道を見失う人が多い」

「チャンピオンになったんだから、人生を楽しんだりリラックスしたりしていいと思うんだ。でも自分はそうは思わない。今日だってもっと強くなれる。明日だってもっと強くなれる。その次の日もね」

モチベーション

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フェルナンデスは今も変わらず高いモチベーションを維持している。妻や3人の子どもたちを養うためだ。

「気をつけながら頑張れば、家族の面倒を見ることができる」

「父親になる機会を得たのはありがたいことだった。子どもたちに教えたり、世話をしたりできる」

「世界チャンピオンでいることが自分の仕事。試合に出て仕事をする。そうすれば子どもたちに食べ物を与えられるからね」

自分が直面したような苦労は、子どもたちには味合わせていない。フェルナンデスは今、正しい方法で子どもたちを育てることに一生懸命だ。格闘技を通じて学んだ全ての知識や価値を伝えることで、世界をより良くするために自分にできる役割を果たしたいと考えている。

「子どもたちに教えることができる。人生は過去だけでは決まらない。どうやって子どもたちを導きたいと思うかだ」

「自分たちはもっと良くなることができるし、もっとうまくやれる。みんながより良くなり、進化することができるんだ」

Read more:ビビアーノ・フェルナンデス、フェザー級王座「興味ある」

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