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【9/6大会】怪我も痛みも恐れなかった王者ノンオーの少年時代

2019年8月24日

ムエタイは初心者にとって易しい格闘技ではない。だが、生まれて初めてリングに入った時から闘魂を見せ、打撃を受けることを恐れなかった少年は、今やタイのヒーローとなったー。

9月6日「ONE: IMMORTAL TRIUMPH」で、ブリース・デルバールを相手に、ONEバンタム級ムエタイ世界タイトル防衛に挑むノンオー・ガイヤーンハーダオが、ムエタイとの出会いを振り返った。

ノンオーは、タイ北東部のサコンナコーン県の小村でムエタイを始めた。実は、当初はムエタイの練習に乗り気ではなかったという。

「隣の家が小さなボクシングジムだった。サンドバッグが1つ、ミットが1つ、そしてボクシンググローブがいくつかあった」と、振り返る。

「2、3人しかいない小さなジムだった。小さかった頃、通りかかると叔父がトレーニングをしていた。ある日、叔父はサンドバッグを打ってみろと言った。もしかして好きになるかもしれないからって。最初は乗り気じゃなくって、お腹が痛いって言い訳した」

ノンオーの叔父は簡単には諦めなかった。小さな甥っ子がトレーニングを始めるよう説得し続けた。

「叔父が説得を重ねた後、試してみた。友達もトレーニングしていたので、彼までジムに入るように言ってきた。それが始まりだ」

「好奇心はあって、やってみたくはあった。友達がやっているのを見て、同じことをしたくなった。それに友達は試合にも出ていて、遠征で他の県に旅行をするチャンスがあった。その頃自分は生まれ育った県の外に出たことがなかった。家と学校の往復ばかりだった」

すぐにムエタイの厳しさに気づいたが、ノンオーは耐えた。

トレーニングは簡単ではなかったが、ノンオーは自分がそれに耐え抜く精神的強さを持っていることに気づいた。そして耐えれば耐えるほど、上達していった。

「10歳だった。ムエタイが何かも知らなくて、とても難しいと思ったけれども、度胸はあった」

「怪我をしても諦めなかったし、泣かなかった。やりたいことだったから、集中していたんだ」

ノンオーは、徐々に才能を発揮し始めた。そして、叔父から試合をするべきだと提案された。

タイでは時に、ちゃんとした準備期間を与えられないまま初試合に臨むこともある。だが、ノンオーの場合は十分な時間を与えられた。さらに、村の外に旅行をするチャンスでもあった。

「1ヶ月経った頃、叔父が試合に連れて行くって言ったんだ。それから3ヶ月間練習を重ねた」

「初試合は、村の近くの別の地区だった。とても興奮していて、怖いとは思わなかった。初めてということに興奮していたから。リングに入った時足が震えて、何をしていいか分からなかった」

「最初のラウンドの後、恐怖心は消えて勝てる、と思った。3ラウンドが終わって、判定勝ちして、叔父が賞金の一部をくれた。100バーツもらった。勝てて嬉しかった」

試合では怪我をしたと言うが、ノンオーは気にしなかった。次の試合を待ち望む興奮の前では、痛みは問題ではなかった。

今や世界王者となり「ONE: IMMORTAL TRIUMPH」で防衛戦に挑むノンオー。だが、幼かった頃はムエタイは、知らない土地を旅し、友達と過ごし、そしてちょっとしたご褒美のための手段だったのだ。

「試合を始めてからは旅行するチャンスがあって、本当に楽しくなってきた。それで徐々に夢中になった」と、ノンオーは振り返る。

「友達と一緒に旅行をしたかったんだ。試合に出ると言うより、他の地域への旅行が目当てだった。勝ったら賞金でおもちゃが買えたから」

ホーチミン | 9月6日 (金) | 21時(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)