ウェイ・ルイ

“デーモン・ブレード（Demon Blade）”の異名を持つウェイ・ルイは、中国が誇るキックボクシング界のトップファイターであり、ONEバンタム級キックボクシング屈指の実力者だ。複数のK-1世界王座を獲得しており、中国史上最も成功したストライカーの一人として広く知られている。

河南省で生まれ育ったウェイは、幼少期から中国武術の散打（サンダ）に親しみ、早くからその才能を発揮した。国内トップクラスの散打選手として活躍したのち、家族を支えるためにより多くの報酬が得られるキックボクシングの世界へと転向。すると、持ち前のスピードとタイミングの鋭さで瞬く間に頭角を現した。

2017年には過酷なトーナメントとして知られるK-1ライト級ワールドグランプリを制覇し、“中国格闘技界の誇り”として一躍スター選手となる。その後も安定した強さを見せ、20連勝という驚異的な戦績を引っ提げて2024年にONE Championshipへ参戦した。

ONEデビュー戦では元世界王者・秋元皓貴を判定で破り、世界最高峰の舞台でも通用することを証明。続くジョナサン・ハガティー戦では惜しくも敗れたが、その高い技術と冷静な試合運びで、依然としてバンタム級トップ戦線の中心に立ち続けている。

確かなテクニック、鋭い反応速度、そして勝利への執念を併せ持つウェイ・ルイは、今もなお中国キックボクシング界を代表する“闘う刃”として、ONE世界王座を目指し歩み続けている。