“Alligator”アギラン・ターニ

ONEウェルター級世界タイトル戦に挑んだアギラン・ターニは、マレーシア史上最高の格闘家の１人だ。ケージにデビューして以降ずっと、リングネームの「アリゲーター」のように試合を切り裂いてきた。アマチュア時代は無敗のまま国内チャンピオンになり、プロに転向後はONEチャンピオンシップのメジャー大会で６連勝を記録。ベン・アスクレン（米国）を相手に待望のタイトル戦に挑んだのだった。

だがターニの最大の功績は、ケージの外での話だ。彼は子どもの頃、肥満に悩んでおり、体重が140㎏近いときもあった。そのせいで酷いいじめにあい、やせるため、そして自分を守るために格闘技を始めた。これは彼の人生を変えた。ブラジリアン柔術やそのほかの格闘技のトレーニングを通じ、たった１年で55㎏もの減量に成功したのだ。肥満のティーンネイジャーはエリートアスリートに生まれ変わった。

ターニは今日まで、マレーシアの首都・クアラルンプールの格闘技ジムで、著名なベルギー人コーチ、サミル・ムラベの元でトレーニングを続けている。さらに、定期的に米国に渡り、世界一流ジム「Team Quest」でスキルを磨いている。