ノンオー・ハマ

元ONEバンタム級ムエタイ世界王者のノンオー・ハマは、ムエタイ界で「生きる伝説」と称される存在だ。タイ国内のあらゆる主要タイトルを手にし、史上最高のストライカーの一人として知られている。その輝かしい実績の裏には、貧困の中から努力と根性で這い上がった壮絶な人生がある。

タイ東北部サコンナコーン県の農家に生まれ、極度の貧困の中で育ったノンオーは、9歳のときに近所の住人がサンドバッグを叩いている姿に惹かれ、ムエタイを始めた。わずか1か月後には初試合を経験し、その才能を早くから発揮。14歳で家族のもとを離れ、バンコクに移り住んでムエタイに専念する決意を固めた。

15歳で権威あるラジャダムナン・スタジアムに初登場し、前座試合で判定勝利。その後、300戦以上の勝利を積み重ね、タイ国内タイトルを2度、ルンピニー・スタジアムのムエタイ世界王座を4階級で制覇し、さらにラジャダムナン・スタジアムの世界王座も獲得した。

2018年4月にONE Championshipと契約し、同年「ONE: HEROES OF HONOR」でスーパーシリーズにデビュー。翌年には初代ONEバンタム級ムエタイ世界王座に輝いた。王座在位中は7度の防衛に成功し、そのうち5試合をKOで決める圧倒的な強さを見せつけた。

努力と信念で栄光をつかみ取ったノンオー・ハマは、今なお世界中のムエタイファイターたちの憧れであり続けている。