【7/18 ONE Friday Fights 116】元王者ペッタノン、与座優貴を撃破し王座返り咲きを狙う「この戦いは大きな意味がある」
7月18日にタイ首都バンコクのルンピニースタジアムにて開催される「ONE Friday Fights 116」のバンタム級キックボクシングで、元王者でランキング3位のペッタノン・ペットフォーガス(タイ)が与座優貴(team VASILEUS)と対戦する。
王座返り咲きを狙うムエタイ界の大ベテランは与座戦に勝利し、現王者ジョナサン・ハガティー(英国)とのタイトルマッチに照準を合わせる。
王座剥奪、1年間の戦線離脱と苦しい時期を過ごしたペッタノン。2024年7月の再起戦では、元王者のアラヴァディ・ラマザノフをTKOで下し、連勝記録を3に伸ばした。
今回の対戦相手の与座は元K-1王者であり、5月の「ONE Friday Fights 109」で衝撃的なプロモーション・デビューを果たした。多彩な蹴り技と悶絶のカーフキックで、それまで無敗だったエルブルース・オスマノフを圧倒して勝利を収めたのだ。
11連勝と波に乗る27歳の与座は、数々の強豪と凌ぎを削ってきたペッタノンですらも、かなりの強敵だ。
ペッタノンはオスマノフ戦で見せた与座のアグレッシブファイトについて、onefc.com に語った。
「ユウキは技術の高いファイターだ。とてもスピードもあって機敏だ。彼はとても良選手だ。エルブルース・オスマノフの無敗記録を終わらせたONEデビュー戦で、彼は信じられないほどの運動神経を持ち、力強く、しかも頑丈だ。彼は自身の空手スタイルに忠実で、とても上手くプレッシャーをかけ、乱戦をする。」
身長174cmとバンタム級では長身のペッタノンだが、それ以上に戦績359勝56敗のキャリアを通して培われた知識とスキルが彼のアドバンテージだ。
相手が入ってくると右フック、ジャブをヒットさせてのクロスなど、そのカウンターテクニックは世界トップクラス。さらには強力な左ミドルとパンチのコンビネーションに加えて、ボディへのヒザ蹴りも彼の危険な武器だ。
さらに今回の試合に限っては、ペッタノンは与座と過去にスパーリングを行ったことから、相手の手の内も把握していると自信を持っているのだ。
極真空手で世界の頂点に立ち、キックボクシング転向後もK-1王座に輝くなど、その勢いが止まらない与座。予測不可能な動きと高い技術力を併せ持った独自のファイトスタイルで圧倒的な戦いを見せ続けてきた。
左右ともに蹴れるカーフキックは相手にとってはかなりの脅威だ。さらに、ハイプレッシャーで相手を下がら背ながらパンチ連打で崩し、そこから繰り出す飛び膝蹴りや胴回し回転蹴りは予想が困難だ。
しかし、大ベテランのペッタノンは動じない。
「私は既にユウキ対策ができている。まず、彼を過小評価しない。私は一発一発を慎重に対応する。特に彼のトリッキーな蹴りと速いパンチに対してはしかりディフェンスするつもりだ。私たちがスパーリングした時、私は彼のパンチがどれだけ速いかを知った。だから私はディフェンスに集中する必要がある。私の武器について全て準備しており、状況に適応する準備もできている。」
ペッタノン、ONE世界タイトル挑戦のラストチャンスを狙う
ペッタノンは「ONE Friday Fights 116」でのこの試合が彼のこれまでの長いキャリアの中でも特別な意味を持っていることを理解している。
今は与座戦に集中しているが、タイのベテランはこの勝利が彼をONEバンタム級キックボクシング世界王座に返り咲かせる大きな可能性があることを知っている。
「私は、この戦いが私と彼の両方にとって大きな意味を持つことを知っている。なぜなら、勝者は(可能性として)ジョナサン・ハガティーとのタイトル戦のチャンスを得るからだ。個人的に、私はすでに先を見据えている。この戦いについて、私はホームでの戦いという点でアドバンテージを持っていると思う。これは私にとても自信を与えてくれる。」
39歳のペッタノンにとって、時間は必ずしも味方とは言えないが、彼のこの競技への献身の気持ちは揺るぎない。
ペッタノンは試合の予定がない時でもスーパーボン・トレーニング・キャンプで週6日の厳格なトレーニング・スケジュールをこなしている。
今回は3ラウンドマッチだが、“タンクに十分なガスが残っている”ことを確保するために常に5ラウンドの戦いを想定したトレーニングを行なっている。
さらに、今回がONEのベルトに挑戦する最後のチャンスになる可能性であることを十分に理解している。
「私は今39歳だが、現役引退する前に再びONE世界王者になれると自分を信じている。なぜなら、私はプロアスリートとして自分を常に万全の状態にし続けてきたからだ。食事を含めライフスタイルすべてだ。再び世界王者になるために全てを行なっている。現役を退く前の最後の目標なんだ。」