【1/22大会】青木真也、ナカシマ戦へ「強敵と対戦、単純にありがたい」

Shinya Aoki at ONE CENTURY PART II ASH_7823

元ONEライト級世界王者の青木真也が1月22日(金)、シンガポール・インドア・スタジアムで行われる「ONE: UNBREAKABLE」に登場する。ONEチャンピオンシップの舞台での試合は2019年10月以来。

対するは昨年11月にONEウェルター級世界タイトルに挑戦したジェームズ・ナカシマ(米国)。今回は階級を落とし、ライト級総合格闘技マッチに出場する。

ライト級4位コンテンダーの青木は、試合に向けて「青木試合するんだ、よかったね、という人がそれなりにいるので、そこは本当に、ありがたいなと思う。何がいい試合かっていうのは人によって違うと思うが、納得いくものが作れたらいいと思っている」と、ファンにメッセージを送った。

前回の試合以来、新型コロナウイルスのパンデミックの期間も、青木はいつも通りのルーティーンを保ってきた。2020年中には数試合をこなし、東京で行われたイベント「ROAD TO ONE 」ではライト級の新星江藤公洋を相手に勝ち星を上げている。

「変わらず元気にしていた。(新型コロナウイルスのパンデミックの期間中も)何も変わらない。練習して帰ってきて、やることやって、文章を書いて。何も本当に普段と何も変わらなかった」



ONEのファンが青木を見るのは約1年3ヶ月ぶり。その間格闘技のスキルや身体的な進化などの変化があったか、という問いに対し青木は変化がないことこそ強みである、と独自の考えを語る。

「変わらないものって実は難しい。僕が好きな話で、例えばラーメン屋さんに行って、10年前と変わってないねってお客さんが言ったとすると、お客さんも成長してるわけだから変わらないって伸びてることだと思う。1回目より2回目の方が、やっぱり感動も薄れるし、それでも変わらないものを作る努力をしている」

「その意味では変わらない自分を出せるんじゃないかと思うし、2003年くらいから格闘技をやっているが、常に変わらないものを提供できてきたと思う」

いつも通りの生活を続けていたとはいえ、青木は試合をしたいと発信し続けていた。そのため、試合のオファーがきた時の気持ちを「ここでオファーが来るとは思っていなかったので、ああ、来た!ラッキー!みたいな感じだった」と、振り返る。

「結局試合があるとか普通の日常というものがやっぱり幸せなんだよね。みんな。ものが作れるけど出せないっていっていう辛さがずっとあって、この気持ちが僕は強かったので、試合が来た時は体温が上がる感覚があった」

今回の対戦相手のナカシマは32歳。全米短期大学体育協会(NJCAA)のレスリング全国チャンピオンだ。これまでにウェルター級の強敵、レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)やルイス・サントス(ブラジル)、岡見勇信を倒し、2020年11月にONEウェルター級世界チャンピオンのキャムラン・アバゾフ(キルギス)に敗れるまでは12勝無敗としていた。

青木も柔道やブラジリアン柔術をバックボーンとし、グラップリングの名手として知られる。今回の試合は当然、違ったスタイル同士のグラップリング対決になるのではないか、という見方もあるが、総合格闘技のベテランの青木は、そうした枠を超えた視点を提供する。

「総合格闘技の難しいというか、単純じゃない点は、例えば打撃が下手な人が打撃が強い人と向き合った時に、組み技が強ければ、相手に組み技のプレッシャーがかかるということ。それによって、相手の打撃の能力をマイナスにできるので、一概に打撃対打撃、寝技対寝技にならないのが総合格闘技。なので、グラップリング対決みたいなこと言われると、そういう面も確かにあるけれど……という話になる」

「歴史的にも、グラップラーとグラップラーの対決が、グラップリング対決にならなかったりするし、ストライカー同士でもストライキング対決にならなかったりする。それが、総合格闘技の面白さだ」

ナカシマはまた、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)の指導を受け、ストライキングの技術も磨いている。グラップリングと打撃、両面で死角がないとの評されるファイターだ。

青木もナカシマについて「アベレージが高い選手。それなりになんか飛び抜けたものがないけど、バランスがいい。全部取り敢えず上手にやる」と評する。

また、青木はナカシマのアバゾフとのタイトルマッチも見ている。ナカシマは、アバゾフの膝蹴りを食らって第4ラウンドTKO負けを喫したが、青木はその実力を認めているようだ。

「強いと思うし、いまだトップクラスの力があると思っている。勝負のあやだから、ああいうのは。もう仕方がないと言うかまよくある話。強い相手とできるのは、単純にありがたいと思う」

そして逆に、この総合力の高さがナカシマの“穴”になるのではないかとも見ている。

「穴は少ないと思うが、飛び抜けてないというのが、裏を返すと穴になる。飛び抜けてないってことは、勝負どころが見当たらない。勝負どころがない奴ほど、一つの場所に振り切れない。ギャンブルができない。リスクを取れないということだ」

「格闘技の試合ってセンター試験じゃないから、雑にいうと、総合点で勝負じゃなくって、もしかして1教科で勝負できる可能性もある。そこが穴なんじゃないか」

Japanese MMA fighter hits a takedown on Ev Ting

青木がONEで米国で実績を積んだ選手と対戦するのは初めて。特にナカシマは、米国でも多くの強敵を倒してきた。

「ナカシマは、北米の世界観の人。(北米の総合格闘技は)僕自身がずっと見たり、意識したりしてきたところなので、そこと向き合えて興味がある」

「やっぱりなんだかんだ、米国で評価されてるやつとやってみたい。単純に。僕も過去の歴史でも米国で活躍する人と試合してふっとばされたりしているが、何年に1度かぐらいやってみたいと思う。もうすぐ38歳になるが、それでできるというのは、ありがたいことだし、こういう試合ができるのが楽しいと思う」

どのような試合になるか、青木は事前の予想を聞いて試合を見るのは「レストランのレビューサイトを見て、飯を食いにくようなもの」として、当日のお楽しみにしたいようだ。だが、いつでも“青木流”の試合ができるという自信がある。

「もう16、17年(総合格闘技を)やっているので、それなりに良いものは作る自信がある。経験もあるし、面白くなくても形にはなるし、着地する。パッケージになる。起承転結のある物語にする」

新型コロナウイルスのパンデミックを受け、日本では強制的なロックダウンこそなかったものの、「自粛警察」という言葉ができるなど、お互いを見張り合うようなギスギスとした雰囲気もあった。

そうした中、青木はこの1年で「自分の好きなことを表現できる場があることは幸せ」と感じるようになったと記していた。それに伴い、格闘技を通じて発信したいメッセージも変化したようだ。

「何かやっぱりこの制限されて何もできない時に、何が好きなのかとか何が大切なのか、っていうのが見えたと思う。多くの人が、自分の基準が右向け右で流されていることがわかって、悩んでいる。だからこそ、自分が本当にやりたいことができるというのが幸せだということ」

「今までは僕が作って来たものって、この厳しい社会で戦っている人たちに、俺たちも戦っているから、一緒に頑張っていくぞっていうメッセージ性が強かったと思う。今それやっても、みんな、もう頑張れないよ、ってなると思う。好きなことがあって、生活に張りがあるっていうのは幸せな時間だ、というのを表現したいと思っている」

そしてONEを始め、各種団体が大会が再開して数ヶ月が経ち、再び世界中のファンたちが多くの試合を楽しめるようになり始めた現在だからこそ、特別なストーリーを届けたいと思っている。

「ゆっくりしたものを作りたい。例えば1月22日に試合があってそれを1ヶ月か2ヶ月楽しんでもらえるような、語ってもらえるような、味わいのあるるものができたらいいじゃないかなと思う」

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