【12/6 ONE Fight Night 38】2競技制覇を狙うペッディージャー、キエルチェンスカと激突「最高の状態で倒す」
12月6日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 38」にONE女子アトム級キックボクシング世界王者ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ)が戻ってくる。
マルティナ・キエルチェンスカ(ポーランド)と女子アトム級ムエタイマッチで対戦。彼女のルーツに立ち返る注目の一戦だ。
勝利すれば、ペッディージャーはONE女子アトム級ムエタイ世界王者アリシア・ヘレン・ロドリゲスへの次期挑戦者となり、2競技制覇に大きく前進する。
23歳のペッディージャーは今年3月にさいたまスーパーアリーナで開催された「ONE 172」でKANAとの激闘を制し、キックボクシングの王座を防衛した。
ペッディージャーはキャリア209勝目を挙げ、熱狂的な日本の観衆を黙らせた。
「最高の気分だった。大きな安堵感があった。日本人選手と戦うのはいつも厳しい。彼らのスタイルは戦いにくいし、速い。それに、どんな戦略で来るか分からない。だからベルトを守れて本当に嬉しかった」
そして、日本での試合は、ペッディージャーに世界王座防衛と共にもう一つの“ボーナス”を与えた。過去に師事していたメディ・ザトゥーと再会するチャンスを得たのだ。
リング外での誤解で疎遠となり、彼女は2024年にパタヤのジムを離れることになった。ペッディージャーは一時ソー・デチャパン・ジムに移ったが、心はチーム・メディ・ザトゥーから離れることはなかった。日本で再会した時、古い傷は癒え始めた。
「日本での試合、ようやくメディと話すことができた。それまで全く連絡を取っていなくて、解決していない問題と誤解が残っていた。彼に会った時、お互いを気遣っていた時間が懐かしくなった」
「ウォームアップをしている時、メディが来て、以前と同じようにコーチしてくれた。彼はまだ気にかけてくれていて、アドバイスをくれた」
その瞬間、ペッディージャーがずっと感じていたことが証明された。元コーチは意見の相違があった後も、彼女のことを第一に考えていた。
彼女は10月にチーム・メディ・ザトゥーに復帰した。2つ目のONE世界王座を目指す彼女にとって、これ以上ないタイミングだった。
「チーム・メディ・ザトゥーのトレーニングシステムは私が慣れ親しんだもので、最も長くトレーニングしたものだった。だからここに戻って本格的にトレーニングすることを決めた」
「正直に言うと、この場所が恋しかった。ここは私がスタートした場所で、一緒に戦った場所で、一緒に苦労した場所で、チャンピオンになった場所だ。この場所にそういう思いを持っている」
2競技制覇を狙うペッディージャー、強敵キエルチェンスカを乗り越えるか
ペッディージャーは世界トップの女性ストライカーの1人だ。レジェンドのアニッサ・メクセンとジャネット・トッドを倒してキックボクシングの世界王者となった。
しかしこれだけの功績を残しても、ONEムエタイ世界王座だけが埋められない空白として残っている。
「私の夢はONE女子アトム級ムエタイ世界王座を獲得し、2競技制覇のONE世界王者になること。今回の試合で良いパフォーマンスを見せて印象的な勝利を得られれば、次の試合でアリシア・ヘレン・ロドリゲスに挑戦できるかもしれない」
キックボクシングで素晴らしい結果を残してきたが、ペッディージャーの本領はムエタイにある。破壊的な肘打ちと相手を崩し続ける首相撲を解き放つことができるからだ。
キックボクシングに移行する前、彼女は「ONE Friday Fights」のムエタイで4戦全勝、全てフィニッシュ勝利だ。
「この試合は非常に重要だ。2年ぶりのムエタイの試合だから。多くのファンが私のパフォーマンスを待っているだろう。最高の状態でマルティナを倒すために最善を尽くす」
ペッディージャーはキエルチェンスカが本物の脅威であることを理解している。キエルチェンスカもロドリゲスへの挑戦権を狙っている強敵だ。
「マルティナは非常に総合力の高いファイターだ。前進も後退もできる。彼女の強い武器は非常にスピーディーな顔面への前蹴りだ。他の武器も強力に繰り出すから非常に危険だ」
「試合は間違いなくエキサイティングになる。フィニッシュの可能性は非常に高い。彼女も私と同じようにアリシアに挑戦するために印象的な勝利を望んでいるから。どちらかがミスをすれば、KOになる可能性がある」