【6/7 ONE Fight Night 32】内藤大樹、“無敗怪物”エストゥピニャンに恐れなし「100%激しい試合に、ただ勝つだけでなくKOを」
6月7日にタイ首都バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 32」のフライ級ムエタイで、内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM)が同級5位のジョハン・エストゥピニャン(コロンビア)と対戦する。
長年ONEで活躍する日本トップストライカーの内藤だが、現在は連敗中。しかしその強さに陰りはなく、今回の一戦は連敗を止め、自分が依然としてフライ級トップの一人であることを証明する絶好の機会となる。
直近の試合でエリアス・マムーディにKO負けを喫して以来、約1年ぶりの復帰戦。この期間、内藤はどのような成長を遂げたのか。
内藤は昨年9月以降、週3回ボクシングトレーナーとトレーニングを行い、より完成度の高いストライカーへと生まれ変わろうとしている。
「(前戦から)その間トレーニングはしてるし、前回の負けから新たに取り入れたことがあります。ファイターとしては、かなり期間が空いたなっていうのはありますが、自分としてはこの期間、逆に空いたからこそ身になっているものがあると思うので、凄い楽しみです。」
スピード、正確なタイミング、そして鋭いキックで数々の強豪を倒してきた元シュートボクシング王者の内藤は、ボクシングという技への献身的な取り組みが自身の戦い方を変えたと確信している。
カウンター攻撃で相手を崩す隙を待つのではなく、ペースを上げてパンチで攻撃のチャンスを作ることに、より自信を持てるようになった。
ファンは今週のリングでこれらの進化を目にすることができるだろうと語った。
「やっぱり僕は蹴りの方が得意。今までの試合は蹴りの数の方が圧倒的に多かったと思いますが、蹴りとパンチのバランスが上手く組み合わせることができるようになりました。」
「これまで僕のパンチはカウンターなイメージが多いと思いますが、自分から打ちに行くような感じになってきて、そういう自分に期待しています。」
「今までの自分のスタイルが変わるかと言えば、変わらないかもしれないですけど、戦い方とか技のバリエーションっていうのは、全く別人のようなものを見せたい。自分でもすごく楽しみです。」
29歳ながらも既にプロ50戦を行い円熟を増した感もある内藤だが、自身の技を新たな高みへと押し上げようとする姿勢は、真の格闘家であることへの飽くなき献身を物語っている。
ONEで13戦を戦い、世界屈指のパウンド・フォー・パウンドのストライカーたちと渡り合ってきたベテランである彼にとって、“コンフォートゾーン”から一歩踏み出すには、ガッツと謙虚さの両方が求められる。
「今、自分はキャリア的に終盤に来ていると思いますが、自分でも実際に成長を感じています。でも、キャリア50戦して、新しいことを取り入れるのは勇気のいることです。あんまりその部分を崩したくないタイプだったのですが、変なプライドみたいなのを一度捨てて、取り入れてみることで、また新しい自分と出会えている気がしています。だから、今回は今までと違うなって思わせたいし、自分自身に凄く期待しています。」
内藤、エストゥピニャンの猛攻に恐れなし
ボクシング技術の向上で自信を深める内藤だが、相手のエストゥピニャンは強敵だ。
“パンダキック”の愛称を持つエストゥピニャンはONE5戦全勝を含むプロ27勝無敗の記録を持持っており、この階級で最も急成長を遂げているスター選手の一人だ。
エストゥピニャンの超攻撃的で容赦ないスタイルは紛れもなく危険だ。しかし内藤は成長した今の自分を試すには最適なな相手だと考える。
「彼は負け知らずだけあって、思い切りの良さというか、怖いものがないんだろうなっていうスタイルですね。うまいタイプとは思わないですが、ブンブン振り回して勢いを持ってくると思います。だからこそ、今の自分を試すのに凄く良い相手。ハードヒッターですが、今回は良い意味で相手に合わして、乗っていきたいと思います。相手の攻撃をただ避けるんじゃなくて、激しい中に入っていきたいという風に思っています。」
今回の試合、戦前の予想では自分がアンダードッグ扱いであることを理解する内藤。しかし、それをモチベーションに会場を沸かせる戦いを見せようと考えている。
“サイレント・スナイパー”の異名を持つ内藤だが、今回は激闘の末でのフィニッシュを狙う。
「相手も来るので、100%激しい試合になると思う。自分自身もそういうキツイ展開に飛び込んでいかないといけないと思っています。そこに行けば自分が倒す確率は上がるし、倒せると思ってるので。世間的な評価は相手が高いと思いますが、そういう相手だからこそ今回はしっかりKOしたいと思ってます。ただ勝つじゃなくてKOをしたいです。」