2020年総合格闘技バウト・トップ5

Xiong Jing Nan Tiffany Teo Rematch 1920X1280 23

新型コロナウイルスの大流行に見舞われた2020年、変わらなかったこともある。ONEチャンピオンシップのケージ「サークル」の中での激しいアクションだ。

世界最高の総合格闘家たちは、何ヶ月も試合出場が叶わなかった。だがその分、大会が再開された際にはより激しい戦いぶりを披露してくれた。

そうした素晴らしいパフォーマンスのため、リストを絞り込むのは困難を極めたが、この記事ではONEの2020年の総合格闘技バウト、トップ5を紹介する。

#1 タン・リー Vs. マーティン・ニューイェン

10月の「ONE: INSIDE THE MATRIX」で行われたONEフェザー級世界タイトルマッチは、ノックアウト・アーティスト同士のハイレベルな戦いだった。

この試合では、2人のトップアスリートが一進一退の攻防を繰り広げ、衝撃的な逆転フィニッシュで幕を閉じた。

第1ラウンドでは、挑戦者タン・リー(ベトナム/米国)が、マーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)を脅かすような蹴り技を見せ、力強いスタートを切った。

だが第2ラウンドでは、ニューイェンが調子をつかみ、リーの顔面を狙い続けた。

リーは積極的にカウンターを繰り出したが、ニューイェンが有利になってきたように見え、第3ラウンドに入ってもプレッシャーをかけ続けた。リーは後退し、ニューイェンの猛烈なパンチのために、ダメージを受けているように見えた。

だが突然、完璧なタイミングのパンチが試合を覆した。フィニッシュを狙っていたニューイェンが、左手をわずかに落とした隙をリーは見逃さず、試合を決める一撃を繰り出したのだ。

その後も激しい打撃が続き、このドラマティックな試合の後、新しい世界チャンピオンが誕生した。

#2 ション・ジンナン Vs. ティファニー・テオ II

ション・ジンナン(中国)とティファニー・テオ(シンガポール)が、2018年の初代ONE女子ストロー級世界タイトルマッチで初対戦した時は、一方的な展開だった。ションは圧倒し、破壊的なKOでベルトを獲得したのだ。

だが2年半後、「ONE: INSIDE THE MATRIX」でのリマッチは違った展開となった。テオはファイターとして成長し、かつてのライバルを相手にフルラウンド戦い切ったが、ションを王座から引き摺り下ろすにはあと一歩及ばなかった。

試合開始直後から、テオは長いリーチを駆使してパンチやキックを命中させ、スマートに戦った。

だが、ションのパンチのパワーは圧倒的だった。拳とローキックを連発し、スタンドでの打ち合いを支配した。

テオは、グラップリングを試みたが、ションはテオがテイクダウンを成功させるたびに、形勢逆転した。第5ラウンド、ションはテオの猛烈な打撃にカウンターで応じ、ポイントを稼いだ。

2019年のファイト・オブ・ザ・イヤーにも選出されたションは、次の世界タイトル戦も必見だと、ファンに強く印象付けた。

#3 クリスチャン・リー Vs. ユーリ・ラピクス

ションとテオのリマッチがフルラウンドの戦いとなったのに対し、クリスチャン・リー(シンガポール)対ユーリ・ラピクス(モルドバ)の決戦は一瞬だった。

「ONE: INSIDE THE MATRIX 」で行われたONEライト級世界王座決定戦は、2分18秒に濃縮された試合となった。

リーはゴングと同時に前に出て、3秒でラピクスの右パンチを被弾するという、衝撃のスタート。そこから試合のペースが落ちることはなかった。

スクランブルが続き、美しい投げ技でトップポジションを確保したラピクスは、フィニッシュを狙った。

だがリーは、グラウンドでは手強い相手だった。リーが立ち上がってテイクダウンを決め、マウントポジションを奪った。

ルピクスは抜け出し、足関節技を仕掛けようとしたが、リーはうまく対処し、パンチを連打。そこで試合は終わった。

その前の試合では初めての判定勝ちを挙げたリーだったが、今回は息をつかせぬ間もなくKOで締めくくり、ONEの最多フィニッシャーとしての地位を固めた。

#4 ジョシュア・パシオ Vs. アレックス・シウバ

世界クラスのアスリートが繰り広げた25分に及ぶフルラウドの戦いがもう1つ、このリストに選ばれた。

ONE: FIRE & FURY」で行われたONEストロー級世界タイトル戦、ジョシュア・パシオ(フィリピン)対アレックス・シウバ(ブラジル)だ。

パシオは、連打と磐石のテイクダウン・ディフェンスでスタートし、ホームのマニラの観衆からは大歓声が上がった。

だが、第2ラウンド、第4ラウンド、第5ラウンドと、シウバがブラジリアン柔術黒帯のスキルを見せつけると、その熱気は覚めてしまった。

パシオのグラウンドでのディフェンスは冴え渡り、スタンドでは乱打を繰り出して優位に立っていたが、ベルトを守れるかどうかは微妙なところだった。

試合はスプリット判定となり、勝利を告げられた時、パシオは感情的な反応をし、この試合にかけてきた思いが窺い知れた。

#5 キャムラン・アバゾフ Vs. ジェームズ・ナカシマ

11月の「ONE: INSIDE THE MATRIX II」で行われたONEウェルター級世界チャンピオンのキャムラン・アバゾフ(キルギス)と無敗の挑戦者、ジェームズ・ナカシマ(米国)の戦いは、スリルあふれるものだった。

新世界王者が誕生する可能性もあった。ナカシマは、アバゾフと真っ向勝負に挑み、トップレベルのレスリングを駆使し、左ストレートをアバゾフの鼻に命中させた。

第4ラウンドに入ると、ナカシマは試合の主導権を握り、最後のゴングまでそのまま行くかと思われた。しかし、そこで致命的ミスを犯してしまう。

ナカシマがテイクダウンを仕掛けようとしたところ、右ヒザを被弾してしまい、それが終わりの始まりとなった。アッパーカットの連打を食らっても立ち上がったが、絶体絶命だった。

アバゾフは時間をかけて、選び抜いた打撃で、劇的な逆転劇でナカシマをフィニッシュしたのだった。

特集をもっと見る

WeiRui 1200X800
Nanami Ichikawa
WeiRui 1200X800
Jake Peacock posing at PK Saenchai Muaythaigym
Regian Eersel Dmitry Menshikov ONE Fight Night 11 64
Marat Grigorian Sitthichai Sitsongpeenong ONE 165 23 scaled
Francisco Lo
Izaak Michell ONE Championship
Mayssa Bastos2
Amber Kitchen Jackie Buntan ONE on Prime Video 5 1920X1280 81
Allycia Hellen Rodrigues Janet Todd ONE Fight Night 8 85
Reinier De Ridder Vitaly Bigdash ONE159 1920X1280 57