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日本は終わっていない、Mei、和田らに注目

2019年5月29日

 3月31日に東京·両国国技館で開催されたONEチャンピオンシップ初の日本大会「ONE: A NEW ERA」が幕を閉じたとき、ONEには、ライト級の青木真也とストロー級の猿田洋祐という2人の世界王者が君臨していた。しかし、4月に猿田がジョシュア·パシオに敗れ王座を失うと、今度は5月に青木がクリスチャン·リーに敗れ、こちらも王座陥落となってしまった。

 現在、ONEに日本人王者はいない。

 しかし、総合格闘技の母国である日本がこのまま黙っているわけにはいかない。4月と5月に大きな勝利を挙げた5人の日本人選手を紹介する。

V.V Meiが3度目の正直で女子アトム級世界王者へ

 3月の日本大会で大きなインパクトを残したのが、女子ストロー級世界タイトルマッチのション·ジンナンとアンジェラ·リーの試合だった。試合は挑戦者のリーが優勢に進めていが、最後はジンナンが王者の意地で防衛を果たした。階級を上げてのリーの挑戦は失敗に終わってしまった。

 しかし、アンジェラ·リーは、現在もアトム級の王者である。ストロー級では敗れたリーダが、アトム級ではキャリア9勝のうち、7勝をKOもしくは一本勝ちで勝利してきた。判定はわずかに2試合。しかし、その2試合こそがV.V Meiとの試合なのである。

 2018年5月にMeiはアンジェラ·リーが持つタイトルに挑んだが、勝つことができなかった。しかし、そこから日本大会での試合を含めて3連勝を飾っている。しかも、直近2試合は、関節の柔らかい女子格闘技では極めるのが難しいとされる、アームバーでもぎ取った。

 結果だけではなく、試合内容も良い。リーチが長い相手や、トラブルで対戦相手が急遽変更になったこともあったが、どの試合でも慌てることなく、悠然と対処して確実に相手を倒している。

 3月にジンナンに敗れて以来試合をしていないリーの動向も気になるが、Meiには3度目の挑戦で悲願のベルトを獲得して欲しい。

グランプリ制覇のために世界最強と闘う日本のエース和田竜光

 現在、ONEを賑わせているのは、タイトル争いだけではなく、各階級のトーナメントだ。そのなかでも、フライ級世界最強と謳われるデメトリアス·ジョンソンが参戦しているONEフライ級ワールドGPは、格闘技ファンの熱い視線を集めている。

 和田は、対戦相手が急遽変更になり、試合が延期されるというトラブルに見舞われたが、準々決勝で勝利を収めた。いよいよ準決勝では、デメトリアス·ジョンソンと対戦する。難攻不落の相手だが、もし勝つことができれば、世紀の番狂わせとなり、そのままGPを制することができるかもしれない。

 令和になった直後に、第一子となる女の子を授かった和田。並々ならぬ闘志で、世界を相手に闘う。

再びストロー級世界王者へ!内藤のび太がシウバに勝利

 国際的なメジャー格闘技団体でストロー級を設定しているのは、ONEチャンピオンシップだけである。よって、ONEでは、ストロー級世界最強の称号を狙った猛者たちがしのぎを削っている。そのなかでも抜きん出た実力を持っているのが、現王者のジョシュア·パシオと前王者の猿田洋祐。そして、元王者の内藤のび太とアレックス·シウバである。彼らがストロー級戦線の4強と言えるだろう。

 この4人では、内藤と猿田の日本人対決及び、シウバとパシオの対戦が未だに実現していない。しかし、それ意外の組み合わせは、ときに複数回に渡って行なわれてきた。現王者のパシオは、内藤を相手にこれまで1勝1敗。猿田を相手に同じく1勝1敗。猿田は、シウバと1度だけ闘って勝利を収めており、内藤は5月にシウバに勝利したので、これで2勝0敗となった。

 こうした4人の戦績からみても、いかに実力が拮抗しているかが分かる。現王者のパシオとは言え、誰に対しても勝ち越していないのだ。

 2018年9月にパシオに敗れ、王座を失った内藤は、その後もレネ·カタランに敗戦を喫し、タイトル戦線から崖っぷちの状態だった。しかし、シウバに勝利したことで、トップコンテンダーとしての地位を死守した。

 こうなると、パシオと内藤のタイトルマッチに期待が集まる。これまで1勝1敗の両者だが、3度目の激突で再びタイトルを争って欲しい。

ONEデビュー戦で勝利を挙げた高橋遼伍と佐藤将光

 修斗やパンクラスなど日本の格闘技団体と積極的に提携を進めているONEでは、次々に有望な日本人選手たちが参戦を果たしている。

 まず、5月3日の「ONE: FOR HONOR」で修斗環太平洋フェザー級王者の高橋遼伍がTKO勝ちを収め、10日の「ONE: WARRIORS OF LIGHT」で修斗世界バンタム級世界王者の佐藤将光もパンチの連打によるTKOで華々しくONEデビュー戦を飾った。

 高橋が30歳、佐藤が31歳と選手としても脂が乗っている良い時期である。勝利を重ねれば、必ずタイトル挑戦のチャンスがやってくる。日本人選手の躍進に期待したい。