磯嶋祥蔵

“三重の戦う教師”こと磯嶋祥蔵は、教員として働きながら無敗街道を突き進む異色の総合格闘家だ。桑名市出身で、学生時代は柔道に打ち込み、全日本学生選手権に出場。東海大会、三重県大会ではいずれも3位入賞を果たした実力者でもある。

教育の道を歩みながらも、格闘技への情熱を捨てきれず、伊賀市に転居した後に名張市の「N☆TRUSTジム」で本格的にMMAを学び始める。柔道仕込みの組み技を武器に頭角を現し、アマチュアDEEPでは優秀選手賞とMVPを獲得。その後、GLADIATORにプロデビューすると、わずか2年で5戦5勝（一本1・判定4）という完璧な戦績を築き上げた。

2025年10月、『ONE Fight Night 36』で待望のONE本戦デビュー。アルゼンチンのニコラス・ヴィーニャを相手に2ラウンドTKO勝利を収め、世界の舞台でもその実力を証明した。試合では得意のタックルからテイクダウンを奪い、マウントポジションからヒジとパウンドを連打してレフェリーストップ。試合後には「自分の強みを出して勝てた。プラン通りの試合運びだった」と語り、チャトリ代表からパフォーマンス・ボーナス5万ドル（約730万円）を贈られた。

常に冷静で、緻密な試合運びを得意とする磯嶋は、“日本のライト級ホープ”として大きな期待を集める存在だ。柔道で培った堅実な組みと崩し、そして冷静な判断力を兼ね備えたそのスタイルは、まさに“戦う教師”の名にふさわしい。

ONEのケージで新たな挑戦を続ける磯嶋祥蔵の快進撃は、ここからさらに加速していく。