ロッタン・ジットムアンノン

元ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノンは、数多くのタイの戦士たちと同じように7歳でムエタイを始めた。幼い頃は争いを避けるおとなしい子どもで、練習や試合にもあまり興味を示さなかったが、10歳のときに初めてプロとしてリングに上がったことで人生が大きく変わった。

試合で勝利すれば自分や家族を支える収入を得られることを知ったロッタンは、強い目的意識を持ってリングに立ち続けた。最初は故郷パッタルン県の小さなキャンプで練習していたが、より高いレベルの環境を求めてバンコクの名門ジットムアンノン・ジムに通い始める。やがて家族のもとを離れ、ジムに住み込みでトレーニングに打ち込み、世界王者を目指す決意を固めた。

その努力は実を結び、21歳までに250勝以上を挙げ、オムノーイ・スタジアムの王座を2度獲得。国内で確固たる地位を築いたロッタンは、2019年8月にジョナサン・ハガティーを破ってONEフライ級ムエタイ世界王座を獲得し、世界的なスターへの道を歩み始めた。

5年間にわたり王座を守り続けたロッタンは、その間の激闘やリング上でのユーモラスな振る舞いによってSNSを中心に世界中で注目を集めた。2024年11月に体重超過で王座を失ったものの、再びベルトを取り戻し、フライ級ムエタイの頂点に返り咲くことを誓っている。