ラクラン・ジャイルズ
ラクラン・ジャイルズは、「ジャイアントキラー」の異名を取るオーストラリアのグラップラーであり、現代サブミッション・グラップリングを語るうえで欠かせない存在だ。
ジェット・リーの映画に憧れて武術の世界に入り、当初はカンフーを学んでいたが、UFC1でホイス・グレイシーの試合を目にしたことで人生が一変。ブラジリアン柔術こそ最強の護身術だと確信し、10代半ばでBJJアカデミーの門を叩いた。
タイロン・クロスのもとで白帯から紫帯まで成長し、大きな膝の怪我を乗り越えたあと、ジョン・サイモンの指導を受けて2012年に黒帯を授与される。その後も競技者として結果を残し続け、 ADCC世界選手権 アブソルート級 銅メダル(2019)、IBJJFノーギ世界選手権 銅メダルなど、世界トップレベルの実績を重ねてきた。
特に2019年ADCCでは、77kgの選手でありながらヘビー級クラスの強豪たちと渡り合い、ケイナン・ドゥアルチ、パトリック・ガウジオ、マハメド・アリといった巨漢たちを次々とヒールフックで沈めてアブソルート3位に入賞。この“ジャイアントキラー”としての快進撃は、グラップリング史に残る名場面となった。
競技実績に加え、ジャイルズは理学療法士としても高い評価を得ている。ラ・トローブ大学で理学療法学の学士号を取得し、2016年には同大学で理学療法の博士号(PhD)も取得。膝蓋大腿部痛のリハビリテーションに関する研究を行いながら、Absolute MMAのヘッドコーチとして選手育成にも力を注いできた。
彼のレッグロックシステムは競技シーンに大きな影響を与え、多くのグラップラーが参考にする“現代型足関節ゲーム”の土台となっている。弟子の一人には、世界的スターであるクレイグ・ジョーンズもおり、2016年に黒帯を授与したのもジャイルズだ。
ONE Fight Night 38では、伝説的存在マルセロ・ガルシアとのサブミッション・グラップリング戦が決定。柔術の“古典的マスター”と“モダンレッグロックの象徴”が激突する、世代とスタイルを超えたドリームマッチとなる。
ONEチャンピオンシップでの戦績
大会別結果
| 結果 | Sport | — | ラウンド | — | 対戦相手 | 対戦相手とイベント | 国 | 日付 | 大会 | |||
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WIN
サブミッション・グラップリング
サブミッション
サブミッション
1R (7:03)
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サブミッション・グラップリング |
サブミッション
1R (7:03)
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1R (7:03) |
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マルセロ・ガルシアブラジル
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ブラジル |
ONE Fight Night 38 |
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