ジョナサン・ハガッティ戦に向けサムエー・ガイヤンハダオが積極展開宣言
ONEチャンピオンシップ戦線を離れて約1年。待望されていたサムエー·ガイヤンハダオの復帰戦が迫っている。5月3日(金)に開催される「ONE:FOR HONOUR」で、ONEスーパーシリーズのムエタイフライ級世界タイトルマッチが行なわれる。
タイの生きる伝説であるサムエー·ガイヤンハダオが、イングランドのジョナサン·ハガッティと対戦し、防衛戦に臨む。久しぶりの復帰戦となるが、王者サムエーは、ベルトを守ることができるのだろうか。
「ブランクは試合には影響しないだろう。毎日トレーニングしているし、35歳になって、体のケアも忘れずに行なっている」。
サムエー·ガイヤンハダオはムエタイで何度も世界王者に輝いた実績を持つ。生涯成績は、驚異の366勝46敗9分。最強のムエタイファイターとして知られている。
現在はシンガポール在住で、イヴォルブMMAを拠点にしている。最後の試合は昨年5月で、その後はリハビリを送っていたが、既に体調は万全だ。サムエーがONEデビューを果たしたのは、昨年1月のジョセフ·ラシリ戦。試合は2ラウンドKO勝利だった。伝説の男が、ONEという舞台で、新たなる歴史を刻んだ瞬間だった。
そして、次の試合であっさりとONEムエタイフライ級世界王者に輝いた。サムエーは、母国の国技がONEという国際的なイベントで脚光を浴びることをとても喜んでいる。
「ONEにはたくさんのタイ出身のムエタイ選手が参戦している。そういうのはとても良いことだし、彼らが国際的な水準のなかでも好成績を残せていることは、誇りに思っている」と、サムエーは目を輝かせる。
タイ人選手の躍進で、まさに群雄割拠と呼ぶに相応しいONEスーパーシリーズ。そのなかで、サムエーは復帰戦の相手に、競合のハガッティを選んだ。
「前に、ジョナサン·ハガッティの試合は観たことがある。身長があるし、肘も蹴りもしっかりしている。身長があれば、リーチがある。特にカウンターは警戒しないといけない」。
プロキャリアではサムエーがハガッティを圧倒している。試合数だけでも、ハガッティの30倍こなしてきた。しかし、王者は決して油断をしない。対ハガッティのゲームプランを慎重に練ってきた。
「作戦はシンプルで、前に出ること。ハガッティも消極的なファイトはしてこないでしょう。先に仕掛けるの私だ」。
サムエーは30年前から変わらない伝統的なトレーニングを大切にしつつも、最新のスポーツ理論に則った練習も取り入れている。
「月曜日、水曜日、金曜日はムエタイのトレーニングを各2回。これは、むかしから変わらない。火曜日と木曜日は、追い込み練習とコンディショニングトレーニングだ。週末は、樹種練習に当てている」と、練習内容を明かしてくれた。
「ベテランになった今、大事なのはコンディションだ。体の強さとコンディションをしっかり維持できれば問題ない。35歳になったが、順調だ」。
相手は13歳で世界王者に輝いた新鋭のハガッティ。しかし、挑戦者であるのはむしろサムエーの方かもしれない。どこまでも謙虚に、どこまでもハングリーに、前に出てKOを取りに行く。
「身長差を克服し、必ずKOを取るよ。期待しててくれ」インドネシアのファンの前で、サムエーは、変わらぬ強さを見せつける。