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リース・マクラーレンに勝ったことで引退を免れたと語るカイラット・アクメトフの壮絶な覚悟

2019年04月24日

2019年3月31日に東京·両国国技館で開催されたONEチャンピオンシップ初の日本大会「ONE: A NEW ERA-新時代」で、リース·マクラーレンに勝利したカイラット·アクメトフ。ONEフライ級ワールドGP準々決勝という位置づけだったこの試合は、アクメトフにとって大きな勝利となった。

 アクメトフは、3ラウンドの戦いで終始、マクラーレンを圧倒。全会一致の判定で、勝利を収めた。マクラーレンは、フライ級トップクラスの選手と見て間違いない。しかし、アクメトフが勝利を収めた理由は、その壮絶なまでの覚悟にあったという。

「私の故郷、カザフスタンのファンは厳しい。負けてしまうと、すぐに選手を見捨てるんだ」と、衝撃の一言を放つアクメトフ。

「マクラーレンに敗れた場合、引退を覚悟していた。家庭の事情もあるし、私のコンディションの問題もあった。また、ビザの関係やファンからのプレッシャーなど、たくさんの問題を抱えていた。でも、私は辞めたくなかった。その一心で、全てをかけて試合に臨んだし、この試合に勝つというだけではなく、自分の人生のために闘ったんだ」。

 悲壮な覚悟を背負って、日本の地に降り立ったアクメトフ。試合前は、集中するだけではなく、散歩に出かけて気分転換もした。

「日本は美しい国だ。日本という国の匂いや、洗練された街並みをみて、活気と文化を感じていた。だから、試合ではリラックスして臨むことができたよ」。

 こうして精神を高めつつも、良い状態で試合ができたアクメトフ。試合では左を有効に使って、自分のペースで闘うことができたという。

「とにかく、グラウンドの状態に持ち込まれないこと。立って闘うことを意識していた。今回の結果に、ファンは驚いたと思うし、そういうことができて嬉しい。これまで自分の実力を発揮しきれない試合もあったけど、今回はどれができた。自分はカッコいい試合を魅せられるような選手ではないが、真面目に勝つことに集中してやっていきたい」。

 強いハートと前に出る気持ちで闘うアクメトフ。本人は謙遜するが、実際、彼の試合はどんどん魅力的になってきている。

「試合直後に左が当たって、効いたと思う。だけど、攻防のなかで腕を負傷してしまった。次第に痛みがでてきたが、キックを主体にすることでなんとか闘えるようになった。腕がどうなろうと、勝ちたいという気持ちで闘った」。

 GPを勝ち上がったことで、次の対戦相手がチーム·ラカイのダニー·キンガドに決定した。あと2勝でグランプリを制し、夢を掴むことができる。しかし、そのためには、キンガドにはもちろん、デメトリアス·ジョンソンか、彼を破った男と闘い、勝たねばならない。

「私にはまだ伸び代があると信じている。これまでの自分は、自分が持てる力の50%程度だと思っている。もっと修正して、最高の自分で挑みたい。そして、デメトリアス·ジョンソンと対戦するのは、私の夢だ。彼は史上最高の選手だと思っているし、大会後は握手をしてお互いに勝ち上がろうと誓い合った」。

「それから、デメトリアス·ジョンソンと闘った若松は素晴らしかった。1ラウンドには、2、3回くらい有効な打撃を当てていたし、彼は将来難敵になるだろう」。

 現在彼はカザフスタンに戻り、デメトリアス·ジョンソンと闘うためにも、キンガドに勝利するために調整を進めている。

GPはまだ続いているし、必ず勝ちたいと思っている。次のラウンドに向けて、怪我を癒やし、しっかり対策を練って最善を尽くしたい」。